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episode6 ページ6

彼女は基本的な仕事は捜査5課のときのことを使ってそういう裏のことについてお願いしたい、と桔梗さんに言われていたのが聞こえた



「分かってますよ、あの件ですよね」



そうAが答えているのも聞こえた。基本的な出動が必要な時以外は裏側の仕事をする。らしい
深入りする気は無いが彼女ただただ人員不足ってなだけで呼ばれた訳では無いことだけは確かだった。




「Aちゃ〜んお昼食べよ?」

「ぅ、わ、伊吹さん」




名前を呼ばれて私が顔をあげればにこにこと伊吹さんが見つめている。お昼行こと、なんだか犬のしっぽのようなものが見えそう。伊吹さんはなんだか人懐っこそうな人だなとこの数日で思った。志摩さんのことはまだよく分からないことの方が多そうだけど




「伊吹、仕事中のデスクを覗き込むな」

「大丈夫ですよ、見られて困るものなんてありませんし」

「ね、ほらAちゃんもそう言ってるし」




ねー、と伊吹さんを見上げて首をかしげれば「ねー」と帰ってくるのかと思いきや違かった



「え、まって可愛すぎ、きゅるきゅるしすぎ!!抱きしめたぃ!」



抱きしめようと伊吹が腕を広げると彼女は一瞬身を強ばらせる
おい、と止めようとしたがその前に伊吹もそれに気が付いたのか「ん〜可愛すぎるからやっぱ無理!」と腕を下ろす
彼女はホッとしたように緩めてからそんな事ないですよ、と笑う




「えっとお昼でしたっけ」

「そうそう、機捜名物機捜うどん!!あっちの方に陣馬さん達いるからちょっとそっちで待ってて」




伊吹はわかりました!と言っていなくなる彼女の背中を見送って、それから俺の方に向き直す



「志摩ちゃん」



その一言だけで何となく言いたいことはわかった。けど口を出す権利なんてある気がしなくて何度か頷いて彼女の後を追った

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作者名:あぶく | 作成日時:2024年3月27日 7時

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