episode3 ページ3
「助けていただいてありがとうございます、あのもしかして404の方々ですか」
もし分けなさそうに頭を下げる彼女に伊吹は変わらずのだらしのない顔で緊張感もなく「うんうん、そうだよ〜」と言うから、彼女は少し首を傾げる
「あ、こいつのことは気にしないでください、いつもこうなんで」
「こうって酷くない！！？」
ぎゃん、と吠える伊吹はとりあえず脇に寄せたい。けど無理そうだった。もう彼女に夢中で。
そのまま「俺は伊吹藍、んでこっちが相棒の志摩」と勝手に紹介を始める。しかも志摩に至っては名字だけ
「志摩一未です」
と頭を下げれば彼女は人の良さそうに笑ってから「AAです、お願いします」と頭を下げた
志摩は思わず見つめそうになって慌てて手元の紙束に目をやる
隣の伊吹が「おっと〜？志摩ちゃん？」と絡み出す。ウザイ
志摩が「うるさいぞ」と言えばニヤつきを一層増してはーいと嬉しそうに返事をした
「では早速ですが桔梗隊長の指示により404に同行してもらいます」
行った先メロンパンの車を見て彼女が目を小さく見開いたのは言わずもがな
「じゃーん俺らのメロンパン号〜！可愛いでしょ〜」
伊吹のそれでなんとか空気をもちこたえたことには感謝している。なんせなんと説明すればいいのか志摩には検討がつかなかった
組んで一日目で廃車にしてしまったため
なんて入りたての新入りには聞かせられないと思っていそた
とんでもすぎるのだ。前代未聞だぞ
それを伊吹はケロッと話してしまった。それに笑った顔からどうしても目が離せなかった
「そんことあるんですね、初めて聞いた」
くすくす、と笑顔があまりにも綺麗で。だけどどこか何か違和感を感じた
「おーい、志摩！行こうぜ！」
その声にはっとして志摩は車に乗り込んだ
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作者名：あぶく | 作成日時：2024年3月27日 7時
