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「今日から新入り、ですか」
志摩の問いかけにええ、と桔梗は頷く。たった今部屋に入ってきた伊吹の耳にも入ったらしく「え、ほんとに!??」と後ろから志摩に飛びかかる。そのついでに志摩が手に持っていたファイルで後頭部を打たれていた
「彼女はヘルプだから誰とペアとかそういうのでは無いから基本はフリーね。で、手が必要な時出動する、そんな感じよ」
「女の子なの?!きゅるんかな!」
彼女はと口にしてから桔梗は伊吹に視線をやってそれから志摩を見、軽く眉間に皺を寄せる
手出したら承知しないわよ
そんな雰囲気がふよふよ漂う。もちろん伊吹に空気を読むという行為は甚だ不可能そのものだが
「伊吹黙っとけ、な」
挙句いたたまれなくなったのか陣馬までが騒ぎ散らかす伊吹を窘める
志摩はそれを気にも留める様子もなく資料をまとめていた
九重に至っては小さい声で「バカだ」と呟いている
「それで仕事の流れは直接見てもらった方が早いだろうから今日は404に、ってお願いしようと思ったんだけど」
志摩頼める?と桔梗が振り向き志摩は小さく頷く
「分かりま」
「合点承知之助!!!」
志摩は諦めたように目を伏せて何度か頷いてからそれでは、と桔梗に指示をされた合流場所へと向かうべく浮き足立つ伊吹を連れて事務所を後にする
「もしかしたら今度こそ__」
そう呟いた桔梗の声は誰に届くことも無く喧騒にかき消された
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作者名:あぶく | 作成日時:2024年3月27日 7時