魔法の手 ２. ページ20
えっと…
とりあえず タオル冷やして 薬探そうかな。
・
そう思って 立ち上がろとしたら
寝てると思ってたAちゃんが
目を瞑ったまま クスクスッと笑った。
・
「Aちゃんっ？大丈夫っ？」
・
慌てて側に座り直したら
・
「あんまり大丈夫じゃないけど…
マー？全部声に出てるよ(笑)？」
・
しんどそうに潤んだ瞳で オレを見ながら 小さく笑ったAちゃん。
・
「うっそ マジで？」
「うん‥ 心配してくれてありがとう。」
・
ふふふ。とAちゃんは笑うけど
やっぱりすごくしんどそう…
・
「ごめんね？起こしちゃった。」
・
そう言って Aちゃんのおでこに また手を充てる。
やっぱり 熱いよ…
・
「マーの手 気持ちいい。ちょっとだけ こうしててくれる？」
・
小さく笑うAちゃんが愛しくて
オレの手で ちょっとでも楽になるなら いくらでもこうしてる！
・
「だからマー…声出てるから(笑)」
・
そう言って ふふ。と笑って すぅ…と眠りに落ちたAちゃん。
どうしよう…
心配で おでこから手が離せない。
オレの手まで熱くなっちゃって 今度は反対の手…
もっかい反対の手… もっかい反対の手… もっかい…
・
早くAちゃん 元気になんないかな。
いつもみたいに元気なAちゃんと一緒に
お酒飲みながら 笑いながらテレビ見て いっぱい話ししたいよ。
・
いつの間にか 眠ってて
ふと目が覚めたら
Aちゃんのおでこにあるオレの手は…
なんだかさっきより熱くない！
・
もしかして 熱下がってんじゃねっ？
オレの手すごくないっ？
・
Aちゃんの寝顔も 随分楽そうになってるし
きっと明日はまた 一緒に笑えるね。
・
ようやくAちゃんのおでこから手をそっと離し
変わりに 唇をそっと重ねて「おやすみ」って 小さく言った。
・
fin.
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作者名：もり＊えこる
| 作成日時：2015年11月23日 9時
