80.大きな背中 ページ36
いつもご飯を食べに行った時は
私のマンションの下まで送ってくれる翔ちゃん。
・
『上がってくれないのかな…？』
・
って 思いはするんだけど…
「じゃあ これで。」って ニッコリ笑う翔ちゃんを
引き留める勇気が 私にはなかった。
・
でも。
今日は… なんだか もう少し 翔ちゃんと一緒にいたいな。
リーダーが結婚するって 聞いたからでは ないと思うけど
…やっぱり 私も
もっと もっと翔ちゃんと一緒にいたいよ。
・
少し前を歩く翔ちゃんの背中を見つめて
小さく小さく深呼吸をして
・
『今日こそコーヒーくらい…誘ってみようかな‥』
・
大きな大きな決心をして 翔ちゃんの大きな背中を見つめた。
・
本当は あの大きな背中に抱きつきたいけど…
ふと振り返って ふふ。ってニッコリ笑う翔ちゃんが
余りにも子供の頃と同じ顔をしてて
その度に 胸がドキドキして 苦しくなる。
・
こないだキスを したけれど…
子供みたいな ぎこちないキス…。
翔ちゃんとそれ以上になるのが
やっぱり少し… 不安。
・
もう ただの幼なじみじゃないのは 分かってる。
お互い大人だし 今までにきっと 翔ちゃんにだって色々あっただろうし…
私にも 勿論 それなりに あったし…ね？
・
翔ちゃんと もっともっと一緒にいたいし
いっぱい抱きしめて キスをして…
翔ちゃんとひとつになりたいけど。
・
部屋にも上がってくれない翔ちゃんと
まだ少し 不安に思う自分の気持ちの整理を
どうつけていいのか 分からない。
・
翔ちゃん。
翔ちゃんは 私とそうなりたいって 思ってくれてる？
ひとつになりたいだなんて…
こんな事思ってるのなんて 私だけなのかな…。
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作者名：もり＊えこる
作成日時：2015年11月19日 20時
