72.方向音痴 ページ28
翔ちゃんと再会して
付き合い始めて…
時間が合いそうな時なんかに
たまに こうしてご飯に誘ってくれる翔ちゃん。
・
翔ちゃんのお仕事の時間とかも よく分からないから
なんだか私からは 誘い辛くて
私から『会いたい』って言った事が まだ ない。
・
本当は いつだって会いたいし あの時みたいに
家でゆっくり 翔ちゃんと過ごしたいなって 思うんだけど
テレビをつける度に出会う翔ちゃんに
ワガママなんて 言えないな…って
やっぱり私から 連絡出来ないでいた。
・
A「翔ちゃん ごめん。
私 迷子かも(笑)」
・
ボンヤリ歩いてて ふと気づいたら 指定されたお店を見失ってて
慌てて翔ちゃんに電話をした。
・
翔「え？ 今どこにいる？迎えに行くから。」
・
ははは。って笑いながら 翔ちゃんが電話口で話す。
あれから 何度も電話で話しをしてるのに
未だに 翔ちゃんのゆっくり話す優しい声に
耳がくすぐったくなる。
・
…早く 会いたいな。
翔ちゃんに 早く 会いたい。
・
翔「お待たせ(笑)」
・
電話で告げた私の現在地を聞いた翔ちゃんが
「なんで そんなトコにいるんだよ(笑)」って 少し呆れて
「絶対そこ動いちゃダメだから。」って電話を切って ５分くらい。
・
A「ごめん。 ちゃんと行けるハズだったんだけど(笑)」
翔「いーよ(笑)大丈夫。
Aが方向音痴だって 最近気付いたから(笑)」
・
楽しそうに ははは。って笑う翔ちゃんに
・
「意外にしっかりしてるハズなんだけどな〜…」
・
独り言を呟きながら 後ろをついて行く。
下がり気味の肩が揺れて 俯き気味に少し振り返った翔ちゃんが
・
翔「そうでもありませんけど(笑)？」
・
呆れたように ははは。と笑った。
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作者名：もり＊えこる
作成日時：2015年11月19日 20時
