明日もずっと。２. 【s.Sakurai】 (ページ26)

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70.宝物ページ26

小さい頃 Aのママがよく言ってた。

・

『人生はね大事な人を探す宝探しみたいなものよ。』

・

うちのお袋は「まーたそんな事言って。」って笑ってたけど。

オレはちょっと…

なんかいいなソレ。って思ってたんだ。

・

・

・

泣きそうな顔をして「翔ちゃんが好き」って言ったA。

不安そうにゆっくりゆっくり話すけど…

オレには「好き」って Aのその言葉だけで

もう充分だったんだ。

・

小さく深呼吸しながらドキドキしてるAが可愛くて

必死に息を止めて泣くのをガマンしてるAが愛しくて

・

かと思ったら急に子供の頃みたいに

あはは。って笑いながら口についた生クリームを指で取るから

オレの方が急にドキドキしちゃってさ。

・

ああ。オレの宝物はAだな。って

凄く嬉しくなったんだ。

・

だから Aの指についた生クリームをペロッと舐めて

ビクッとして息を止めたAに

チュッ。てキスをしたらすごくびっくりした顔で

・

A「…しょお‥ちゃん？」

・

って Aは言ったけど。

チュッ。てするくらいいいでしょ？

だってオレの大事な宝物だもん。

・

本当はチュッ。だけじゃなくてさ？

もっとこう… ね？
色々したいなって思うけど。

そこはね。
そこくらいはゆっくりゆっくり大事にしたいなって思うから

今日はこれでガマンしとこう。

・

翔「ちゃんと好きだよ。
大事にするから。」

・

そう言ってそっとAを抱き寄せたら

・

A「翔ちゃん…手が震えてる。」

・

そう言ってオレの背中に回った手も震えてて

２人でははっ。て笑って

少し震える唇でぎこちないキスをした。