62.クセ？ ページ18
目の前に差し出された一切れのスモークサーモン。
・
翔ちゃんは ほら。ってニッコリ笑ってるけど…
私…どうしたらいいの？
・
翔「ほら 食えって(笑)
ケーキばっかり食べてたら太るぞ(笑)」
・
ははっ。て笑いながら 翔ちゃんが
「んっ。」て サーモンを差し出してる。
・
そう言われても…
ドキドキして そんな素直に食べたりなんて 出来ないよ……。
・
チラッと見た翔ちゃんは
相変わらずニッコリしてフォークを持ってて‥
・
仕方なく 自分のフォークを置いて
翔ちゃんのフォークを取ろうと手を伸ばしたら
翔ちゃんが フォークを持った手を ヒョイッと上に上げて
・
翔「なんだよ それ(笑)
素直に食っとけって。
ほら あーん(笑)」
・
フォークを取ろうとした私の手を握って
また フォークを私の目の前に差し出した。
・
ど…どうしよう。
握られた手は 火がついたみたいに熱いし
翔ちゃんはニッコリ笑って 私が食べるのを待ってるし…
・
A「…イタダキマス。」
・
覚悟を決めて 小さく深呼吸をして
差し出されたサーモンをパクッと食べた。
・
・
翔「なんだよ(笑)！
食べるのに なんで目まで瞑るんだよ(笑)！」
A「だって！ なんか恥ずかしいんだもん！」
翔「恥ずかしくないよ。
もっと食う？」
・
ははっ。と笑う翔ちゃんに 手をブンブンと振って
「いやっ いい！いい！」って言ったら
・
翔「それ‥クセ？」
・
ワインをコクンと１口飲んで テーブルに肘をつき
私の手を指差しながら そう言った。
・
A「え？」
翔「手をブンブンって振るの。
子供の頃は しなかったよな それ。」
・
そう…だっけ？
自分では気付かなかったけど…
やっぱり子供の頃とは 違うのかな。
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作者名：もり＊えこる
作成日時：2015年11月19日 20時
