明日もずっと。２. 【s.Sakurai】 (ページ13)

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57.ただいまページ13

一瞬黙ったオレに

・

A「翔ちゃんどうしたの？

仕事まだ終わらない？」

・

ゆっくり話すAの声に安心して

またマンションを見上げて

・

翔「Aゴメン。
今マンションの下に着いちゃった。」

・

そう言ったらえっ!?って慌てた様子のAが

バタバタと音をさせたと思ったら

ベランダからヒョコッと顔を覗かせた。

・

翔「お前覗いたら落ちるぞ(笑)」

A「翔ちゃんと違って高い所平気だから大丈夫だよ(笑)

上がって来てくれる？」

・

あはは。って笑ったAになんか凄く安心して

ん。って電話を切った。

・

そういや再会してから
Aのあんな笑い声

初めて聞いたかも。

もっとちゃんと顔を見てもっとたくさんAの笑い声聞きたいな。

・

子供の頃と違ってオレより小さくて柔らかかったA。

子供の頃よりゆっくり静かに「翔ちゃん」って
オレを呼ぶA。

子供の頃と変わらず楽しそうに笑ったA。

オレ…
Aが好きだな。

ちゃんと今のAが好きだわ。

・

Aの部屋の前に着いてチャイムを押そうと手を上げかけたら

ガチャと開いた扉から

・

A「翔ちゃん！いらっしゃい！」

・

子供の頃みたいにハシャいだ声のAが

ニッコリ笑って顔を覗かせたから

なんかオレすげぇ嬉しくて

玄関に入ってすぐに Aの頭に手を置いて

・

翔「ただいま。」

・

って言ったら一瞬びっくりしたAが

上目遣いでオレを見て

・

A「おかえり。」

・

ってふふって笑った。