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「だからだよ。でも大丈夫。オメーをこっちの事情に巻き込むつもりは無いから」
「巻き込むつもりはって……バッカじゃないの!?バ快斗!…………」
ぶっきらぼうに私を突き放そうとするバ快斗の様子にイラッとしてしまい、無言でカツカツ近づいて、頬を両手でパンッと押さえ込んで無理矢理目線を私に合わせる。私より高い背を無理矢理屈ませているため少し窮屈そうにしているが無視。そんなことより――
「……分かった。あんたの邪魔はしない。でもひとつだけ約束して。絶対帰ってくるって。ちゃんと青子と私のところに帰ってくるって約束!!分かった!?」
そんな私の様子に快斗は目をパチクリさせて無言でいる。許さん!
「へ・ん・じ・は?」
「わかっひゃった」
ふふふ。よし!満足して手を外す。
「ったくよー。痛えじゃねえか」
「なんかカッコつけてる快斗にイラっとしちゃった。ごめん。反省してる。でもいきなりこんな重要な話するんだもん。びっくりしちゃったよ……」
「悪りい。Aにはなんとなく言いたくてな……青子は、親父さん捜査二課の刑事だし」
「ちょっと!?私もこれでも刑事の娘なんだけど……?忘れてるんじゃないでしょーね」
快斗を見上げるが変に私から目線を外す。おい!
でも、快斗の様子がいつもの感じに戻っていることに一安心。
よかった……いつもの快斗だ。
あれからは快斗の簡単マジックショーを開催してくれた。ワイワイしていたらあっという間に夕暮れになっていた。いつもの黄色いバラを手にしながら、
「そろそろ帰らなきゃ。今日、蘭はデートで遅くなるから私が夕飯作るの」
「作れんのか?」
快斗もマジックの後片付けをしながら聞き捨てならないことを言う。
「できるよ!お父さんと2人暮らしだったし、まあ……蘭より……上手くない……んだけど……」
ゴモゴモと口よどむが当の本人はふーんの生返事。
おい!そんなことないとかちゃんとフォローしろ!
なんてやりとりしながら帰路につく。
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作者名:久春 | 作成日時:2023年11月23日 12時