【工藤新一夢】もう一度あなたに 2 (ページ8)

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(怪盗キッド…………？)

はて？怪盗キッドなんて主人公の推理小説ってあったかな？最近は新一くんに連れられて事件現場に引っ張りだこだったから未読の小説が山積みなんだよね……。

考え込んでいる私の姿を横目でみて、ふうとため息をつく。頭をガシガシ掻きながら快斗はベンチからおりる。私に背を向けて、

「怪盗キッド――怪盗1412号。18年前パリに出没後、10年後一度姿を消したが、8年後の今復活した、怪盗…………」

快斗の様子がガラっと変わったのに驚いているうちに、急に口の中がカラカラに渇いていく……
いつもの快斗じゃない…………
ここにいる快斗(ひと)はだれ――？

「そ、それがどうしたの？今回よびだされたことと「親父なんだよ」え？」
「怪盗キッドは親父だったんだ――――」

顔をバッと上げる。
親父って――――

「盗一さんが！？本当？」
「ああ。オレの部屋にあるパネルの裏にな、隠し部屋があったんだ。そこに……」
「そうだったんだ……あれ？でもおかしいでしょ。盗一さんは8年前に……」
「そうだ。親父は8年前に死んだ。今の怪盗キッドはオレだ。「え？」オレなんだよ……」
「どういうこと？なんで快斗が……」

快斗はまた私に背を向ける。
「親父は誰かに殺された……オメーも知ってるだろ？親父の付き人の寺井ちゃん。寺井ちゃんに聞いたんだ、間違いない。だから親父の死の真相を知りたい。そのために怪盗キッドになったんだ……」
「っ。そんな……危険だよ？逮捕だってされちゃうかも知れないし……」
「覚悟の上だ」
「なんでっ。なんで、そんな大事な話を私にすんのよ！青子は？青子は知ってるの？？」

思わず声を荒らげてしまう。
そんな私の様子を見ていないのに、見えてないはずなのにあいつは飄々とこちらに向きなおして

「アホ子には言ってねえよ。本当はAにだって言いたくなかったんだ……」
「ならなんで……」
「……覚えてるか？昔2人で約束したろ？『オレたちの間で隠し事はしない』ってな」
「うん…………」
そうだ。あれは、盗一さんのお通夜の時に……