【工藤新一夢】もう一度あなたに 2 (ページ38)

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ニヤリとユイさんと意味ありげに笑いあう。

「そうなんだ……」
じゃあ寝ていたのって私と駐在さんだけ？シュンと落ち込みそうな私の様子に気づいたのか気づいていないのか、伊達さんは「あの2人は徹夜慣れしているし、緑川も徹夜は慣れっこのようだしな」ハハハと豪快に笑い飛ばしていた。
「まあ、嬢ちゃんはよく寝てよく食べた方が背も大きくなるぞ」ってほんっと一言余計なんだけど……
　

村役場に着いた時は太陽が真上に来ていたが、既に太陽が西に傾いている。時刻は午後5時58分。

村役場のソファに座って松田さんたちを待っているがなかなか出てこない。
ユイさんも伊達さんに連れられて事情聴取を手伝っている。話相手もおらず暇つぶしも飽きて時間を持て余していた時――

「あら？」
「あっ成実先生！」

玄関から成実先生が近づいて、そのままソファに座ると「ふあああ」と大あくびが出ている。

「成実先生、お疲れみたいですね」
「そうなの。急に東京で担当している患者さんの様子が気になっちゃって……今対応して貰っている医師や看護師に確認していたらあっという間に明け方までかかっちゃって…………。さっき起きたら、今度は電話で事情聴取を村役場でしているって連絡が来たから急いできたのよ」
「ふふふ。おつかれさ――――」

ガチャリと奥のドアが開き、松田さんがげっそりとした顔で出てくる。

「松田さん！犯人分かったの？」

近づいてくる松田さんに話しかけるが、答えは「NO」。なんでも人数も多く、名前と住所を一致させるのに苦労しているんだとのこと。松田さんは徹夜明けの状態でこの作業をずっと手伝っている為かさすがに顔に疲れが出ている。

「あのー。電話でよばれたんですが、私は――」
「あー。成実先生は一番最後だぜ。どうやらお疲れみてーだし…………」
「じゃーその前にかお、洗ってきまーす…………」

目に涙を溜めて口元を隠しながら大あくびをしながら、成実先生は洗面所に向かっていった。

廊下にはまだ事情聴取が終わっていない娘の黒岩令子、その婚約者の村沢周一、村長選立候補者の清水正人、村長秘書の平田和明が残っているらしい。
また現在取り調べ中の西本健が何も話さない為事情聴取が遅々として進まず、イライラがピークに達した松田さんはタバコ休憩するために廊下に出てきた。(本人談)

そんな時廊下に怒声が響いた。