17 月いちプレゼント事件 ページ22
コナンくんはあれからもおじさんを眠らせたりして事件を解決している。地道な事件解決で最近は“眠りの小五郎”と呼ばれてるんだって！ふふふ。事情を知っている側からすると本当に眠ってるんだけど……。
そんな毎日を送っていたら――――
「ねぇ、A。最近、新一から連絡きた？」
蘭と探偵事務所の掃除をしていたが、蘭は浮かない顔で聞いてくる。
「連絡？た、たまに？」
「そう……。最近、新一から連絡なくて……。いつもなら、すぐに事件解決するのに……あいつ……」
コナンくんは読んでいた小説を開いたままギクリと動きを止める。
「……ウデが落ちたんじゃ？」
「あはは……。新一くんも解けないような難事件なのかもよ？もし、連絡とれたらちゃんと蘭に連絡するように言っておくから！」
あははと苦笑しながら、コナンくん……いいえ、
(ちゃんと蘭に連絡しなさいよ)(すまん……)
そんな時、ピンポーンとチャイムが鳴る。
「はーい」と私の視線から逃げるようにコナンくんはドアをあけると、たくさんの大きな箱を持っていた男の人とぶつかってしまい、箱が頭の上から落ちている。
「大丈夫ですか？」
蘭が声をかけて、箱を片付けている。その間に私は掃除用具を片付けに行き、コーヒーを入れに行く。最近は相談者が多くて嬉しい悲鳴だ。
コーヒーを入れ事務所に戻ると、
「おじさんの昔の患者さんじゃないの？」
話が進んでいる。コーヒーをとりあえずおじさんと相談者の前に置いて蘭の隣に立つ。蘭は、コナンくんの質問にとても驚いていた。
「患者って……？」
おじさんが聞くと、コナンくんは笑顔で
「だっておじさん、外科のお医者さんでしょ？」
「あ、ああ……でも？どうして私が医者だと？私、言いましたっけ……？」
その一言に蘭もおじさんもびっくりしてコナンくんをみる。
「両手の人差し指だよ！指の先に斜めに跡が残ってるでしょ？外科医の人は、手術の際細い糸を両手の人差し指で抑えながら強く結んでいくんだ……だから人差し指に跡が残るんだよ……それに、手に消毒液のにおいが残ってるし……」
鼻をひくひくしながら答えている。おじさんはくだらないことをよく知ってるんですよと少しあきれ顔。
蘭は、
「すごいよ！コナン君！まるで…………」
と途中で口ごもる。
本当に変な知識ばっかりあるんだからと感心していた私は気づかなかった。蘭が感じた既視感に――――
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作者名：久春 | 作成日時：2023年11月23日 12時
