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蘭もお父さんの仕事を邪魔しちゃダメでしょと注意してる。それなのにまた邪魔をして頭にゲンコツ喰らってる。
本当懲りない子……。コナンくんは暇になったのか転がっていたボールでリフティングをしてる。蘭も上手いのね。新一みたい……と優しく見守っている。確かにコナンくん、リフティングうまいなあと見ていたら、コナンくんが木の近くにボールを飛ばしてしまい犬に吠えられている。
「あれ?」
犬に吠えられるんだとしたらなんかおかしくない?と尋ねようとしたらあれまあれまと執事の麻生さんが犯人と分かってしまった。いつの間に……
事件解決だとひと安堵した空気になったが、
「だ、だんなさま!お電話が!」
お手伝いさんの言葉で状況が一変する。麻生さんの狂言誘拐の後、本当に女の子は誘拐されてしまったようだ。おじさんが居場所を聞くよう父親にアドバイスをしたところ、女の子が『窓から煙突の見えるどこかの学校の倉庫』で電話が切れてしまった。
みんながあたふたしている時にコナンくんは犬を連れてどこか行ってしまった――――
「コ、コナン君!」
蘭が気づいて呼び止めるがおじさんはほっておけの冷たい一言。
「蘭。追いかけようよ」
「A……。そうね。コナン君追いかけよ!」
蘭と一緒に探すが見つからない。焦りそうになるが、そんな時「ウォン」と犬の鳴き声。
「蘭!この犬、さっきコナンくんといた……」
「そうみたい。ねえ、お願い。コナン君のところに連れて行って!」
蘭の言葉に「ウォン」と鳴き、今来た道を引き返す。私は蘭と顔を見合わせて、犬の後を追う。
体育館倉庫に近づいた時――
「やめてぇー!」
女の子の叫び声が聞こえ、蘭が素早く中に入る。
私も後に続くと蘭の空手が犯人に炸裂していた。さすが都大会優勝……。コナンくんは傷だらけで跳び箱に寄りかかっている。
「ちょっと大丈夫!?コナンくん?」
慌ててコナンくんに駆け寄りハンカチで顔を拭く。血だらけになってまで女の子を助けようとするなんてやるじゃない。見直しちゃった。
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作者名:久春 | 作成日時:2023年11月23日 12時