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「…………いないけど？」
「へー。じゃあ、新一は？新一のことはどう思ってるの？」
「んー……。新一くんねー……」
なんか最近この話題ばっかりだな……
「新一くんのことはね、本当よく分かんない。最初はいじわるで、ホームズオタクでなんだコイツとか思ったんだけど、推理の時は自信満々な姿がカッコいいなってたまに思うことはあるよ。本当たまに。でもまだ自分のこの気持ちを表現する言葉がうまく見つからないんだ……」
ボソボソ呟くように私の今の気持ちを正直に話す。コナンくんは顔真っ赤にして俯いてる。なんで？きみ、今のどこかに照れる要素あったかい？
蘭は――蘭は、女の私でも惚れそうになるぐらいキレイに微笑んでいた。
「じゃあ、その気持ちに言葉が見つかったらちゃんとわたしや新一に教えてね」
「うん」
ありがと……蘭。
そうしているうちに毛利探偵事務所に到着。
「ここがわたしとAの家。今日からはコナンくんの家よ」
「私は同居の身だけどね。これからよろしくね。コナンくん」
コナンくんの様子がおかしい。蘭はお父さんに紹介すると階段を登り始める。そんな時、蘭を呼び止める声が仕草が――やっぱり新一くんに重なってみえてしまう。
そんな時――――
ダダダと階段をおじさんが転がり落ちてきた。蘭はぶつかったようだが幸いにもケガは無い。ちょっとお父さん！またお酒？麻雀？と蘭が問い詰めると
「仕事だ！」
「「え？」」
「さっき電話があったんだよ。黒づくめの男に娘を誘拐されたと、親から依頼が来た！オレの力を借りたいってな！」
おじさんはすぐさま立ち上がり、タクシーを拾う。その様子をポカンと見ていたが、コナンくんが私と蘭の袖を引っ張って、行こう！といきり立っている。何が何だか状況を飲み込めていない私たちはなされるがまま……
そのままタクシーはお屋敷へ――――
“谷“という豪華なお屋敷に着く。
おじさんは早速執事さんや誘拐された父親に話を聞いているが、コナンくんも一緒になって質問してはおじさんに邪魔だと追い返されている。なにやってるの……この子……
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作者名：久春 | 作成日時：2023年11月23日 12時
