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「A。来週の土曜日暇なら、トロピカルランドにいかねぇ?」
次の数学の授業であたる予定の私はいそいそ予習をしている。そんな時新一くんが声をかけてきた。
「トロピカルランド?」
「蘭の空手都大会の優勝お祝いに連れて行く約束したんだよ」
「だから?」
「だーかーら。おめぇも一緒に行かないかって」
「はあ!?」
この推理バカはなにをいってるの…………
「あのねー!蘭は、あんたと2人で行く約束してるの!私というお邪魔虫はいらないの!わかった!?」
まったく。この鈍感男は……。ぶつぶつ文句言いながら意識を数学の問題集に戻す。たしか、この問題はこの公式をあてはめて…………
そんな時、急に教科書がとりあげられる。ちょっと!と目線を上にむけると
「お邪魔虫ってなんだよ……。オレと蘭は別に……そんなんじゃ……」
「蘭は新一くんと一緒に行くのを楽しみにしているの。それに私、来週は先約があるからパス」
「……………………」
なにも言わなくなった新一くんに首をかしげる。早く教科書返してくれないかな。
「じゃあ、今週は暇か?」
「今週……?今週は未読の推理小説を読破しようと「暇だな」ちょっと!」
「土曜日の9時な」
「なに「トロピカルランド。今週の土曜、9時約束な」」
この男はまたまたなにを言っているんだ……
「待ってよ!来週、蘭とトロピカルランドに行くんでしょ?なんで私と今週行くの??」
「あー……下見だ。下見」
下見。そういえば、恋愛マスター園子(A命名)も言ってた……!デートの下見は重要だって。なるほど。蘭とのデートを成功するための超重要任務……。りょーかいであります!
「いいよ!下見は重要だもん!
新一くんはキョトンとしていた。でも少し嬉しそうな顔していたのが印象的だった。その後新一くんのいつも以上のスパルタ授業が開始されたことは言うまでもない…………
「――――というわけで、新一くんとトロピカルランドに行ってくるね」
その日の夜。私は蘭には新一くんとトロピカルランドに下見に行くことをちゃんと話ておこうと思ったのだ。変な誤解を与えたくないしね。
蘭は気にしなくていいのに。とか新一とはそんなんじゃないからと謙遜していたけどAもちゃんと楽しんできてね。と最後に言ってくれる。優しすぎる。
「新一くーん!おはよー」
「おう。さっさと行こうぜ」
「うん!」
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作者名:久春 | 作成日時:2023年11月23日 12時