俺の嫁は地上最強でィ((

地上最強 08 ページ10

〜Side 総悟〜

それから2ヶ月、6月の某日。
とてもよく晴れた夜。

場所は近くの大きい神社。
そこそこ有名な場所でィ。
雅楽や三管が流れて、厳かな雰囲気がで始める。
俺の横を歩くAはとても綺麗だ。

白無垢に綿帽子。
髪は日本髪ではなく、後ろで三つ編みや編み込みを使ってひとまとめに。
俺も五つ紋付羽織袴で、前髪のはじの一部を耳にかけている。

俺たちは両方ともいつもとは違っていた。

月も輝き、満月。
歩く道には無数の灯籠。

俺たちの場合、参進の儀では両親が故人故、親族が並んでいる。
旦那や、近藤さんといったいつものメンバー。

「総悟。」

ふと小さな声で、Aが俺の名を呼んだ。
夜で、傘の陰になってAの姿は見えねェ。

「私より先に死なないでね。」

何でィ。
今ここで言うなよ。
俺がすぐに死ぬタマだとでも思ってんのかィ、こいつは。

でもそういった声は、少し震えてた。
この場じゃ物騒かもしれねェけど、俺だってAには先に死んでほしくねェ。

「死なねェよ、バァカ。」

お前を残して死ねるかっつの。
俺が死んじまったら、鬱になるだろィ。

入場すると、左にAの親族。
右に俺の親族が並ぶ。
俺たち2人はそのあとだった。

修祓の儀、祝詞奏上、三献の儀、神楽奉納、誓詞奏上、玉串奉奠。
それらを終えて、次は指輪交換。

俺がAに渡したのはラピスラズリ。
返し、Aが俺に渡してくれたのはルビー。
それは俺たち2人の誕生石。

これを調べるのにすごい時間をかけたし、12月の誕生石の中からやっと絞った宝石。

親族杯の儀、斎主挨拶も終えた。
長かった。
これで何時間かかったんだろうかねェ←

退場すると、やっと肩の力が抜けた。
夜、という時点で遅いので披露宴は後日。
今から写真撮影というわけだが。

「真選組！！覚悟ォォォォォ！！！」

「ッ！！」

攘夷浪士の集団に出くわした。
相手は刀。
こっちは何もねェ。

さぁ、どうするか、と考えたところで何かが切れた音がした。
ものすごい速さで何かが空気を切る音。
横を見ると、

「夜中に近所迷惑です。お黙りなさい。」

Aの片手にはクナイが、正面の男の頬からは血が流れ出ている。
いつの間にかAは自分の背中方向へ手を伸ばす。

「でも、あなた方がやる気なら相手くらいして差し上げますよ。・・・・・・・・・・・・次に会うのはどこでしょうねぇ？」

ギラギラ光るAの目に恐怖を覚えた人もいただろう。
集団はその場で身を引いた。

「さ、写真とりましょ？」

あ、いつものAだ。
次に聞こえたのはシャッターを切る音。

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