電波系少女の言う事には【ハイキュー!! 及川徹】 (ページ10)

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電波系少女がバレーを辞めた理由2 ページ10

｢A先輩！バレー教えてください！どうやったら、A先輩みたいに綺麗なトスがあげられるんですか！？｣

キラキラした、私とは違う、利口で明るい、可愛い後輩は、いつも私の側にいてトスの練習をしていた。

あの子は、私のトスに憧れている、と言ってくれた。レシーブもスパイクも全部、憧れていると言ってくれた。

その子のバレーの熱意に負けて練習を付きっきりで教えてあげたし、あの子もとても嬉しそうだった。あの子がどんどん上手くなっていくたびに私は焦った。

影山飛雄という、天才から逃げたのにまた、天才の才能を導き出してしまった自分を呪った。

そのうちスタメンも奪われそうで怖かった。監督は新人戦の時、最初は３年の私に気を使って、その子をスタメンには出さずに私を出してくれた。

でも、試合の途中、私はあの子と交代させられた。

誰も何も言わなかった。

私があげたトスをスパイカーはすぐに諦めたのに、あの子が上げたトスは必死になって打ち返していた。

それを見て、チームメイトにお前はいらない、と言われてるようだった。

3年最後の試合では、6校中の3位。

チームの真ん中にいるのは、セッターのあの子。私じゃない、セッター。

チームメイトに存在を否定されたセッターは、もう正常に機能しない。

私はもう、選手としてバレーに参加しない。天才の存在が怖くて、できない。

でも、バレーを嫌いになりきれないから、今もここでマネージャーを続けて、バレーに関わっている。