電波系少女の言う事には。 ページ14
思い立っらすぐ行動。
電波系少女はいつだって、どんな事だって全力で、そして時間厳守。
『及川、少しいいですか？』
いつもより早く体育館に来た及川に声をかけると、及川は｢いいよー｣と軽く返事をした。
告白場所として選んだのは体育館用具室。少しだけかび臭いのとホコリ臭いのは年季が入っているから。
｢なになに？｣
及川は何時までたっても何も言わない私を不審に思ったのか首をかしげながら問うてきた。
言わなければ、無駄な時間を費やす。
『及川徹、心して聞いてください。初めにいいます、この言葉を聞いても余所余所しくしないでください。態度を改めないでください。』
｢うん？｣
『好きです。恋愛的な意味で。』
淡々と告げた言葉は、信ぴょう性の欠乏と、恥ずかしさのあまり棒読みになってしまった。
及川は少し困ったように笑って、先を続けた。
｢それでAちゃんは、俺とどーなりたいの？｣
『……バレーの次でいいです。次でいいので、私のことを好きになってください。』
……電波系少女は緊張すると、思考回路がグチャグチャになって意味のわからないことを口走ります。
私は、吐き出した言葉を回収しようともがくが。それはどうも無理らしい。口から出た言葉は、相手の記憶から抹消するまで回収不能。
つまり、
『すいません、及川。殴っていいですか。』
殴れば記憶は飛ぶかな。
｢なんで！？別にいいじゃない！俺もAちゃんのこと好きだし！ていうか、俺たち付き合ってたんじゃないの！？｣
意味のわからないことを言ってのける及川に私は首をかしげた。
『いつから？私と及川が？』
｢昨日、タイジンしてる時に、守ってくださいって、何だったの？アレ、告白通り越してのプロポーズじゃないの？｣
むしろ、お前はあれをいつからプロポーズだと認識してきた。
正直呆れた。呆れて何も言えなかった。
『まさか、今日早かったのって……』
｢彼女できたからファンの子達にあまり騒がないでねって注意した来たからこの学校ではもうあまり騒がれることなありませーん。｣
(｢及川さんの彼女は嫉妬深いからって言っといた。｣)
(『…まあ、それは嘘じゃないですけどね。』)
(｢…えっ、なにそれ。突然のデレ！？｣)
(『及川は一度嫉妬してください。私を束縛してください』)
(｢Mだなぁ。｣)
いいえ、電波系少女です。
―end―
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作者名：匿名 | 作成日時：2015年2月20日 14時
