分かったって本当ですか? ページ12
ざまぁみろって思ってしまった。けれど、それと同時に自分がいらないって、切り捨てられた気持ちは痛いくらいに分かった。
罪悪感と同情心が混ざりあって、泣いているのだろうか。訳も分からずなくなんて、コッケイだ。
「……もういいよ。分かった。」
及川はそう言って、私の肩に手を置いた。
何がわかったのだろう、今の話しで私の何がわかったのだろう。
「Aちゃん、お疲れ様。もう天才に怯えなくても良いから。そんなに自分を責めなくてもいいよ。」
Aちゃんが自分の事許せないって言うなら、俺が許すから。
そう言って、笑う。ヘラヘラした、いつもの調子のいい笑顔じゃなくて、優しく、綺麗に笑う。
『ッ、クソ川…なんで、そんな欲しい言葉くれるんですか…、私、誰かがそう言ってくれんの待ってるような最低な人なんですよ!』
「いいじゃん、別にそれでも。及川さんもね、天才に怯えてるからさー。分からなくもないんだよね、その気持ちは。」
肩においていた手を頭の上に乗せられる。そのままヨシヨシと撫でられて私はいつの間にか自分の涙が止まっていることに気がついた。
「Aちゃんがバレー嫌いにならなくて良かった。」
『……何でですか』
「また、一緒にタイジンできるし。」
『岩泉とやってください。私、下手ですから。』
「もう!何言ってんの!あれだけ及川さんとタイジン続けられた子が下手なわけないじゃん!」
『いやです。及川忘れてませんか?私、やっかみとかいじめとかごめんなんですー!』
「うん、だから。
守ればいいんでしょ?」
なんてことはなく言ってのけた及川に、私は不覚にも心臓がはねた気がした。
(『え、えぇ……まぁ。早く体育館に戻りましょう。私、ボトルの洗浄あるんで。』)
(「及川さんも手伝おうかー?」)
(『さっさとダウンしろ!!』)
及川見てるとイライラします→←ざまぁみろって思っちゃったんです
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作者名:匿名 | 作成日時:2015年2月20日 14時