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あたし達家族は元は東京で3人で暮らしていた。
中学生の頃までは家族円満で、両親もとても仲がよく幸せな家族だった。
しかし、いつからかだっただろうか、お父さんの帰りが遅くなるようになってきたのは。
初めは、残業が忙しいんだなと思うくらいだった。
しかし、
「あ、お父さんお帰り」
「おうA、ただいま」
自分の部屋に行こう廊下を歩いていたところで、ちょうどお父さんが帰ってきた。
現在の時刻は夜の11時54分。
「こんな時間まで仕事してたの?」
「まあな、最近忙しくてな。Aも早く寝るんだぞー」
「…うん、おやすみ」
あたしの頭をポンと撫で、お父さんはそのままお風呂場へと向かった。
お父さんからは微かに女の人の香水の匂いがした。
それからも、帰ってくるたんびお父さんはいつもと同じ香水の香りをさせて帰ってきた。
疑いが少しずつ確信へと変わっていく。考えたくはないが、たぶん、お父さんは不倫をしている。
そんなある日のこと。
朝、目がさめると自分の小指に赤い糸がくくりついているのを発見。
「何これ、糸?」
小指に赤い糸ということはこれは運命の赤い糸なのだろうか。
糸を外そうもうするも、なぜか取れない。というか触るとことができない。
あたしはまだ寝ぼけているんだろうか。
とりあえず起きて、リビングへと向かう。
「お母さんおはよー」
「あらAおはよ。今日は寝坊しないでちゃんと起きれたのね」
「今日はなんかすぐ目さめたんだよねー」
「珍しいこともあるもんね。もう朝ごはんできるから座って待ってて」
「はーい」
イスに座って朝ごはんを待ちながら、朝の天気番組を見る。今日は晴れのち曇りらしい。
「はい、できたわよ」
目の前にイチゴジャムを塗られたトーストとヨーグルトが置かれる。
「ありがと〜、…あれお母さん小指…」
「え?」
お母さんの小指にもあたしと同じように赤い糸が結ばれていた。
「小指?なんかついてる?」
お母さんには見えてない?
「あ、ううん、見間違いだった。頂きまーす」
トーストに齧り付く。うん、おいしい。
あたしの小指にも未だ糸はついたまま。
もう寝ぼけてはいないはずなのにどうしてまだ見えるんだろう。
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たぬき(プロフ) - ちょいちょい出てくるコメディ感が、the宮治みたいな感じですごく好きです!楽しく拝見させて頂きました。 (2019年9月29日 19時) (レス) id: cf33a90161 (このIDを非表示/違反報告)
もらん(プロフ) - 黒髪さん» 好きと言ってもらえてとても嬉しいです!更新頑張ります!(*´-`) (2019年9月10日 0時) (レス) id: 3669949a26 (このIDを非表示/違反報告)
もらん(プロフ) - ねうさぎさん» 治くんいいですよね(*^^*)亀更新にはなりますが更新頑張ります! (2019年9月10日 0時) (レス) id: 3669949a26 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - この作品とても好きです……更新頑張ってください! (2019年8月15日 16時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
ねうさぎ(プロフ) - 治くん好きです…ありがとうございます…更新頑張ってください! (2019年8月15日 13時) (レス) id: 73373523e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もらん | 作成日時:2019年8月9日 16時