あたしは稲荷崎のマネには向いていない

こんこん6 ページ6

あたしは今腕を保冷剤で冷やし、他の部員は練習に戻りサーブを再開していた。



どうやらここは男子バレー部だったようだ。
女子バレー部の方々は何処へ…？



「で、あんたなんでいきなり体育館入ってきたかと思いきや何レシーブしてんねん。女子がこいつのサーブ受けるなんて無理に決まってるやろ」



「と、取ってみたくなっちゃって」
「危ないから二度とすんなや」

「は、はい…」


この人北さんとかいったか。怖い。金髪の人と違って威圧感がすごい。



「つーか、俺ら大会前だから今女子生徒体育館出禁にしてんのしらんで見にきたんか？？。キャーキャー騒がれるのまじで迷惑やねん。うっざいねん。」

金髪くんは冷たい目であたしを見下ろす。





「…ごめんなさい」

なんだよ出禁って。そんな男バレがあるのか初めて聞いたぞ。



「骨とかまでには響いてないだろうから大丈夫やとは思うけど、もし痛みがひどいようだったら病院行き」

「あ、はい。すみませんでした練習の邪魔してしまって、、」

「ほんまやで」

この金髪さっきはすごい形相で心配してきてたくせに今はすごいイライラしてるなぁ。
まあ練習の邪魔しちゃったあたしが悪いんだけども。





「ところで聞きたいんですけど、」

「あ？！なんや！！」

「侑、女子にレシーブ拾われたからってカリカリすんなや。かっこ悪いで？」


え、レシーブ拾われたから怒ってんの？？？



「かっ、！！？な、何言ってるんすか北さん！！そんなやないです！！」

「いや図星やろ？」

「うっ、、、」

「そもそもお前がこの子に向かってあんなサーブ打ったからこうなったんやろ？こんな痣まで作ってしもうて。お前も反省し」


あれ、、なんだ？あんなに威勢のよかった金髪くんが今は落ち込んだ子ぎつねのように見える。



「あ、いや、あたしが急に入ってきたのが悪いんで！で、あの！あたしバレー部に入りたいんですけど！！！」

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