あたしは稲荷崎のマネには向いていない

こんこん14 ページ14

侑side


なんやねん。なんやねん。



「なんやねんあの女は…」


さっきからキラッキラした目で俺らのプレイを見よる。穴開くわ。


「まあまあ落ち着けや侑」

「にしてもすごいなあの子。ウキウキしてるのがめっちゃ伝わってくるわ」



確かに得点とかモップがけとか、仕事はしっかりしてくれてる。
だが、視線がやかましい。








なんか尻尾を振りまくってる犬のように見えてきた。


「もし、尻尾があったら千切れそうなくらい全力で振ってんやろうな」


「サム、、今俺もそれ考えてたとこや」


さすが双子。考えることは一緒やな。





見ててわかる。ほんまにバレーが好きなんやな。

普段見にくる女らはバレーじゃなく俺らを見に来てる。そんでキャーキャー騒ぎやがる。

別に普段のときにちやほやされるのは嫌いではない。でもバレーは別や。そんなもんプレイの邪魔でしかない。


でもこいつは違う。他の女と違ってバレーをしてる"俺ら"じゃなく、俺らの"バレー"を見とるんや。

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