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青side

「立話もなんですから…どうぞ」

崇裕さんとならいつまででも見つめ合うてられたけど、さすがに営業時間中やしカウンター席へと案内した。


「それじゃ、少しだけ。これ、ほんまありがとうございました」

差し出された紙袋の中身は、崇裕さんにお貸ししたスウェットやった。

ふわりと優しい香りが鼻をくすぐり、それが洗濯済であることを物語る。


「すみません、洗濯までしてもろて。忙しかったでしょうに」

「いえいえ、全然全然」

茶目っ気たっぷりに手をパタパタして謙遜する崇裕さん。


「こちら昨日のスーツです。乾燥かけるだなんてでしゃばってかえって、結局お手間おかけして…」

「いえいえ、ほんま助かります。
クリーニングにはすぐ持っていけないし、出したら1週間返ってこんから…
そもそも、雨ん中傘も刺さずにおった自分が悪いんやし…」


崇裕さんの顔色が一気に暗くなってしもた!

話題変えな!


「そうだ、お近づきのしるしに1杯ご馳走します」

「えっ…でも、」

崇裕さんがお酒が弱いことも、今日は長居せず帰りたいことも承知やけど…
男 流星!ここで引き下がるわけにはいかないんや!


にっこり微笑んでカウンターテーブルに置かれた崇裕さんの手の上に自分のを重ねた。


「崇裕さんに、もう少しおってほしいんです」


誤解を招かれては困るけど、普段はお客様にスキンシップでは売ってへんで?


これは、バーテンダー流星やなくて、一人の男流星やから。


「敵わんなぁ…じゃあ、一杯だけ?」

成人男性の小首を傾げた疑問系がこんなにかわいいものなんか?

照れたように逸らされた瞳
こっちに向かせたい…

崇裕さんの視界に俺だけが映ればいいのに…


**


「どうぞ」

「これは?」

「シャンディ・ガフですよ」

ビールそっくりな見た目に怪訝そうに眉を顰めた崇裕さんだけど、すぐによそゆきの顔に戻って一口、口をつけてくれた。


「ん…あまい」


そうそう、これが聞きたかったんや。


「普通はビールとジンジャーエールを割ったものやけど、ジンジャーエールの代わりにレモネードですから辛くないし、ビールはほんの少ししか入れてませんから酔いませんよ」


「ん?なんて?」

次の一口を飲んで口を拭いながらキョトンとしてはる崇裕さん。

かわええ!

もうなんでもええねんな。
口に合ったかだけわかれば!


「いかがですか?」

「これ、すっごく、すきや…」

いただきました!

この瞬間の幸せをずっと噛みしめていたい…

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こー(プロフ) - Shandyさん» 返信ありがとうございます!迷惑でなくて良かったです。Shandyさんのペースでいいので、更新楽しみにしています。わ……ありがとうございます!まさかそんな嬉しい言葉を言っていただけるなんて……!!ありがとうございます!私も更新頑張らなければ……笑 (2022年3月29日 23時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 不快だなんてそんな、、、むしろコメントいただけて久しぶりに書きたい欲が湧きましたので感謝です♪こーさんのお話の世界観私も大好きです(^^) (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 初めまして♪コメありがとうございます!青紫お好きなんですね。片隅に放置していた話を見つけてくださり設定や世界観を好きとのお言葉とても嬉しいです。私も青紫大好きなのでなんとか続きを書きたいと思っています。もしパスをかける時はちゃんとヒントを添えますので (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 不快に思われたら無視してください。突然のコメントで失礼なのをわかった上でコメントしました。不快になられましたら本当にすみません。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 突然、大変失礼致します。初めまして。青紫が好きでこの作品に出会いました。このお話はパス掛けしないで頂きたいです。突然のコメントに要望、迷惑だと思います。本当に申し訳ありません。世界観や設定がとても好きで読めなくなるのは悲しいのでコメントしました。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shandy | 作成日時:2020年11月23日 16時

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