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髪を拭き終えた頃、体にかけたタオルに手をやる。
白のワイシャツが濡れて体に張り付いている。


さっきジャケットを脱がせた時はパニックになっていたから気づかなかったんや。


あかんやつや、


そう呟いて


「シャツも脱ぎましょう、このままじゃ風邪ひいてまう」


純粋に人助けのつもりやってん


それやのにボタンに手をかけたら、ビクっと震えて、濡れた瞳揺らして怯えてしまった。


「あ、ごめんなさい、なんか俺勝手に…
着替え、取ってきます。2階俺ん家なんで、、」



なぜあそこまでお世話してまうのやろか
もともと面倒なことに首を突っ込む性分やないのに…


急いで戻ったら、たかひろさんはタオルにくるまってソファに体育座りをしてこちらの様子を伺っていた。


そりゃいきなり見ず知らずの人に脱がされそうになったらビビるよな。


グレーのスウェット上下を手渡し、


「よかったらこれ、着替えてください」


そう伝えたら、小さな声で


「ありがとう」


そう呟いて、ほんの少し口角を上げて微笑んでくれた。初めて聞いた声はとても落ち着いた大人みたいでかっこよく思った。俺もよく低い声がイケボやとお客様に褒められることもあるけど…


何より無反応だったたかひろさんが、驚いてまん丸な目になったり、無防備に髪の毛拭かれてたと思ったら、怯えてしまい、その後は微笑んでくれたのだ。

くるくる変わる表情をもっと見たいなって
そんな気持ちにさせる不思議な魅力に取り憑かれていた。


「俺、あっち行ってますから。何か温かい飲み物作ってきます」




そう言い残してたかひろさんに背を向ければ、ゆっくりと着替えを始めたようだ。衣擦れの音に妙にドキドキする自分に


男同士やろ、何興奮しとんねん


喝を入れドリンク作り始めた。


「濡れた服、干しましょうか」


気配で着替えも済んだと確信した俺は、振り返って先程のスーツとシャツをハンガーにかけた。

「乾燥室に入れときます。2時間くらいで乾くでしょ」



相変わらず体育座りのたかひろさんのスウェット姿。
俺のサイズが大きかったのか襟ぐりから綺麗な首と鎖骨があらわになり、なで肩から伸びる手はほとんど覆われて萌え袖になっていた。


「そうだ、ホットドリンク飲みましょう」


ソファの隣に座って差し出した。


こんな時は、ホットココアか…
いや、かなり大人な男性やからと

甘めのホットワインを用意したのがこの夜を大きく左右することになるとは、思わなんだった。

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こー(プロフ) - Shandyさん» 返信ありがとうございます!迷惑でなくて良かったです。Shandyさんのペースでいいので、更新楽しみにしています。わ……ありがとうございます!まさかそんな嬉しい言葉を言っていただけるなんて……!!ありがとうございます!私も更新頑張らなければ……笑 (2022年3月29日 23時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 不快だなんてそんな、、、むしろコメントいただけて久しぶりに書きたい欲が湧きましたので感謝です♪こーさんのお話の世界観私も大好きです(^^) (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 初めまして♪コメありがとうございます!青紫お好きなんですね。片隅に放置していた話を見つけてくださり設定や世界観を好きとのお言葉とても嬉しいです。私も青紫大好きなのでなんとか続きを書きたいと思っています。もしパスをかける時はちゃんとヒントを添えますので (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 不快に思われたら無視してください。突然のコメントで失礼なのをわかった上でコメントしました。不快になられましたら本当にすみません。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 突然、大変失礼致します。初めまして。青紫が好きでこの作品に出会いました。このお話はパス掛けしないで頂きたいです。突然のコメントに要望、迷惑だと思います。本当に申し訳ありません。世界観や設定がとても好きで読めなくなるのは悲しいのでコメントしました。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shandy | 作成日時:2020年11月23日 16時

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