銀月の狼 【登坂広臣】

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ヒロ｢....なぜだ姫よ｣



A｢命を助けるための能力なのに、

なぜ一つの命を疎かにしなくてはならないの....｣



ヒロ｢"銀月の狼"は我々が発見した時には

既に死んでいたんです。

姫が気にするようなことではない｣



A｢たとえそうだったとしても

そのままそっとしておくべきだったでしょう!?

これ以上"銀月の狼"の死を晒すような真似はしたくない


そのためだったら、私は永遠にあなた達の駒になったっていい｣




ヒロ｢.....｣









大丈夫よ、狼さん


私はあなたの死をバカにされたくない


過去にどんなことがあったのかわからない


昔話のように人や妖を殺したのかもしれないし


もしかしたらなにもしてないのかもしれない


そもそも毛髪にそんな効力があるのかもわからないから



私だけいい思いなんて出来ないよ....







A｢遺体はきちんと然るべき場所に埋葬してください｣




ヒロ｢....アイツを埋める場所なんてあるわけがないでしょう

呪われると...誰もが拒否します｣




A｢ならば私の庭に。

作業は直人さんと北人くんに頼みます

彼らなら理解してくれるでしょう｣






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その夜、屋敷から狼さんの遺体が消えた





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