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思えば、その出会いは突然だった
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私は多くの兵士を束ねる名家の1人娘。
屋敷の者からは"姫"と呼ばれ、それは大切に育てられてきた
この櫻羽家の敷地はとても広い
けれど私はこの敷地から出たことがない
外の世界を知らない
それはなぜかって、私には産まれつき治癒能力があるから
戦いに出て兵士が怪我をすれば、治すのが私の役目
この能力があるおかげで、兵士はすぐに回復し戦いに出ることができる
言ってしまえば櫻羽家の強さの秘密は私なんだ
今日も遠くで皆が戦っている音が聞こえる
今夜は満月で季節は春。
桜と満月の景色がとてもきれいなはずなのに
炎のせいで空は明るい
「はぁ....」
溜息なんて、本当はしたくないのになぁ
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お茶を飲もうと立ち上がると、庭の桜が揺れた気がした
気のせい....?
「誰か...いるの？」
私がそう問うと、今度は桜が大きく揺れ
突風が吹いた
思わず目を瞑ると、次に開いたときに私は目の前の光景に驚いた
「えっ....」
さっきまで何もなかったはずの広い庭の真ん中に、
血だらけの大きな犬が倒れていた
慌てて駆け寄ると、それは犬ではなく狼で
呼吸はかなり薄かった
どうしよう....このままじゃ死んでしまう
狼さんは目を少し開けて、私を睨んだけど襲う気はないみたい
「少しじっとしててね...」
傷だらけの身体に手を近づけて、力をこめた
私の手からは光が溢れ、狼さんの傷が少しずつ消えていく
呼吸もだいぶ安定してきたみたい
にしても血だらけね...
確か部屋に、まだ使ってない布があった
部屋の棚から布を取り出し、狼さんの身体を拭いた
血だらけだった毛はみるみる綺麗になって
狼さんも完全に目を覚ました
「わぁ...狼さん、すっごい綺麗」
銀色の毛髪に黄金の瞳
倒れていなかったからわからなかったけど、
本当に大きい
「怪我、もう痛くない？」
狼さんは、私の問いに答えるように大きな尻尾を振った
「ふふっ、良かった。戦いに巻き込まれちゃったのね」
可愛そうに、だから戦いは醜いんだ
戦ったって得るものはあっても失うものは沢山あるのに....
私はそっと狼さんの身体を撫でると
少し微笑んで
満月の光に導かれるように消えていった
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名無し98531号(プロフ) - 更新頑張ってください！！続きすごく気になります！ (2019年10月16日 17時) (
レス) id: 92c44a7de9 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 続きが楽しみです(*^o^*) (2019年10月1日 18時) (レス) id: ba091c410e (このIDを非表示/違反報告)
まうぴぃ(プロフ) - 素敵なお話見つけました！続き楽しみにしています！ (2019年9月29日 12時) (レス) id: c8900c101a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - すごく続きが気になります！！更新がんばってください！ (2019年9月29日 0時) (レス) id: 2a1e5f7dd5 (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - すごく話気になります！更新楽しみにしてます★ (2019年9月28日 10時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓﾍﾟﾍﾟ
| 作成日時：2019年9月28日 0時
