来世は一緒に空を飛べるといいね 2【ヒロアカ】【鬼滅の刃】 (ページ12)

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六十二話「静かな屋敷で」ページ12

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A「...?静か」

お館様に休養を与えられてから何日か経ったとある朝。まだ精神的にぐらつきがあるように感じながらも、私の体調はだいぶ戻りつつあった。

だから今日は蝶屋敷のお仕事を手伝おうと思ったのだ。けどいつもなら聞こえてくる汚い高音や、猪突猛進と走り回る音、それを止めようとするアオイちゃんや炭治郎くんの声も聞こえない。

いや、これが蝶屋敷の本来の姿なのだけど、自分が鬼殺隊に身を置き始めた時からここは何かと騒がしかった印象がある。

いくつかの足音は聞こえるから、きよちゃん達はいるのだろう。にしても静か。昼間なのに皆出払ってるのかな。

不思議に思いながら蝶が飛び交う庭をぼんやりと眺めていると、後ろから肩をチョンッとつつかれる。

少し驚いて振り返れば、そこにはにこやかに私を見つめるカナエちゃんがいた。

カナエ「びっくりした?」

A「ちょっとね、カナエちゃんいたんだ」

カナエ「ふふっ、違うわ。この静けさのことよ。珍しいじゃない?私に気づかないのも無理ないわ」

聞けば今屋敷にいるのはきよちゃん、なほちゃん、すみちゃん、そしてカナエちゃんと私。あとは数人の隠だけだという。

14人の柱と他の隊士達はお館様の護衛のために、アオイちゃんは万が一の救護員として同行してるらしい。

カナエちゃんは柱を引退しているためこの場にいるのはわかるけど、救護としてアオイちゃんが呼ばれる程の案件に自分がいないのはどうも納得しがたい。

しかも昼間。まさか大正の禰豆子ちゃん以来、初めて日光を克服した鬼が現れたというのか。

だったら尚更、自分の個性"完全回復(フルリカバリー)"は必要不可欠じゃないか。

そう言えば、カナエちゃんは困ったように眉を垂らした。

カナエ「Aちゃん...言ったでしょ、今回はお館様の護衛よ。人喰い鬼の元に、皆がお館様を行かせると思う?」

A「あっ...」

それもそうだ。現代で呪いの病が消え去ったとはいっても、鬼殺隊にとって大切で敬愛してならないあの御方をそんな危険な目に合わせる隊士はどこにもいない。

だったら、どうして。意味がわからない

A「ねぇカナエちゃん。皆は一体、どこに行ったの?」

カナエ「...しのぶから聞いたわ。ついにお館様が決断なさったらしいの。あまね様の個性で、全てを見せる(・・・)って。"彼"もいるから、Aちゃんを連れていくことはできないって」

A「え....なに、」

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