四十話「パン屋?」 ページ40
緑谷side
とはいったものの、貴重な外出許可日だ。皆それぞれ行きたいところややりたいことはある。
他のクラスメイト数名は八百万さん案内の元、午前中少し街で遊んでから目的地に向かうと言っていた。
轟くんは午後にお母さんのお見舞いに行くらしい。ならば開店時間に合わせていこうと八百万さんにパン屋さんの地図をもらい僕は皆とは別に轟くんと2人で行くことになった。
轟「なんか悪ぃな。べつに八百万達と行っても良かったんだぞ」
緑谷「いいんだ。大勢で押しかけても他のお客さんに迷惑だし」
轟「それもそうか」
今から向かうお店の開店時間は午前11時。雄英の周りは人通りが多いのもあり、お弁当屋さんなどは朝早くから営業しているイメージがあるからか、パン屋にしてはやや遅めな気がする。仕込みに時間がかかるほどそれほど人気ということなのかな。
轟くんと他愛ない話をしながら電車に乗り、地図通りの道を辿れば視界の端に「かまどベーカリー」と書かれた看板が現れる。
緑谷「え、ここだよね?」
轟「そのはずだ。なんか、実家と似た空気を感じるけど」
地図と店名を何度も確認するが間違いない、ここだ。その外観は一見お店のように見えない、というか明らかにパン屋さんには思えない。むしろ轟くんの言うように、轟くんの....いやエンデヴァーの別荘と言われた方が納得がいく。
以前かっちゃんとお邪魔した轟家のあの日本家屋、ほどまではいかないがパン屋さんかどうかは疑ってしまう。ただいい匂いはする、これはそろそろお腹が空いてしまう...
2人して店前で困惑していると、入口の扉がチリンと音を鳴らして開いた。
「営業中」と書かれたボードを持って中から姿を見せたのは、桃色の着物に紅と白の市松模様の三角巾を身につけた自分達と年頃が変わらなそうな女の子。
女の子は僕らを見てパァっと表情を明るくすると、可愛らしく声を上げた。
「いらっしゃいませ〜!! かまどベーカリーへようこそ!!もしかしてここに来るのはじめてですか?」
この個性社会じゃそこまで珍しくないピンクの瞳に八重歯のような牙のような歯を携えたその子は、笑顔で僕らに問いかけた。
緑谷「あっ、えっと!!友達にこちらのパンを頂いて、是非自分で買い物したくて...」
「えーそうなんですか!!嬉しい!!あ、中へどうぞ〜」
轟「いや...まだ開店前じゃ」
「関係ないですよ〜、寧ろ遅すぎるんですうちの店は。さ、早く早く!!」
「「はい....」」
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華夏(プロフ) - この作品好きです!これからも更新頑張ってください! (2021年11月3日 16時) (
レス) id: 4bbf064d28 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓﾍﾟﾍﾟ(プロフ) - 晴華さん» すみません、非表示でした汗 ご指摘ありがとうございます (2021年11月2日 12時) (レス) id: 9dfe7a6e7a (このIDを非表示/違反報告)
晴華 - 三十六話はどうしたんですか？ (2021年11月2日 9時) (レス) id: 9ac8204341 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 面白すぎて大好きです！これからも頑張ってください！ (2021年10月31日 22時) (レス) @page42 id: 2e88d3e072 (このIDを非表示/違反報告)
mmiho(プロフ) - 面白くて大好きな作品です！ (2021年10月31日 21時) (レス) @page42 id: 2243970d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓﾍﾟﾍﾟ
| 作成日時：2021年5月29日 8時
