三十四話『人喰い鬼と鬼狩り様』�� ページ34
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平和を願うだけじゃ、何も変わりはしない。それは愛する彼を失った日から十分わかっていたはずでした。だから私は蟲柱様の元で、蝶屋敷という場所で、平和への道を歩き続けて来たはずだったのに。
鬼殺隊本部。つまりはお館様のお屋敷が襲撃を受けたとの知らせを聞いたその瞬間から、鬼殺隊と鬼の始祖の最終決戦は始まってしまいました。相手は今までの鬼とは比べ物にならない強さの化け物。加えて残りの「上弦ノ鬼」が三体。
意識が遠くなっていくようでした。それは彼が家の中で肉塊の翼を広げ、子供の腸を噛みちぎっている光景を見た時と同じ感覚だったからです。
あのおぞましい光景を思い出し、吐き気を感じながらも私はただただ祈ることしか出来ませんでした。
誰も、死なないで
負けないで
私たちの元に、帰ってきて
やがて朝日が上り、長い長い夜は終わりました。それは良くも悪くも決戦の終幕を意味する光です。
隊士達が耐え抜いて耐え抜いて、やっと手に入れたその朝日が齎したのは鬼殺隊の勝利でした。鬼の始祖は神々しい朝の光に焼かれ、消滅したそうです。
多くの仲間達の生命と引き換えに。
生き残った隊士達も皆、生きているのが不思議なくらいの重症でした。
特に、水柱様や風柱様。それに妹を人間に戻そうと必死に戦ってきた赤髪の少年と、その良き友たち。柱の方々を初めとした彼らは最前線で激闘を繰り広げたのです。
既にお亡くなりになった炎柱様と、「上弦ノ陸」との戦いで引退なさった音柱様を除けば、始祖との戦いで生き残った柱は水柱様と風柱様のみ。
私が蝶屋敷に来てからずっとお世話になっていた蟲柱様も、花柱様の仇である「上弦ノ弐」の戦いの最中お亡くなりになりました。立派な最後だったと、蟲柱様のおかげでその鬼を倒せたと、彼女の義妹が涙を浮かべて話してくれました。
蟲柱様や隊士達の憧れである岩柱様。
女の子同士仲良くしようと、お出かけに誘ってくれた恋柱様。
口は悪くても優しかった蛇柱様。
記憶が戻ってからは良きお話し相手になってくれた霞柱様。
皆、もういないのですね。
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華夏(プロフ) - この作品好きです!これからも更新頑張ってください! (2021年11月3日 16時) (
レス) id: 4bbf064d28 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓﾍﾟﾍﾟ(プロフ) - 晴華さん» すみません、非表示でした汗 ご指摘ありがとうございます (2021年11月2日 12時) (レス) id: 9dfe7a6e7a (このIDを非表示/違反報告)
晴華 - 三十六話はどうしたんですか？ (2021年11月2日 9時) (レス) id: 9ac8204341 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 面白すぎて大好きです！これからも頑張ってください！ (2021年10月31日 22時) (レス) @page42 id: 2e88d3e072 (このIDを非表示/違反報告)
mmiho(プロフ) - 面白くて大好きな作品です！ (2021年10月31日 21時) (レス) @page42 id: 2243970d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓﾍﾟﾍﾟ
| 作成日時：2021年5月29日 8時
