三十一話『人喰い鬼と鬼狩り様』�� ページ31
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最初から薄々わかっていたけれど、女性はその「蝶屋敷」の主らしいのです。さらには鬼殺隊最強の剣士、「柱」の称号を与えられた「花柱様」であることも、お屋敷で働くようになってわかったことです。
他にも柱は何人かいるそうで、あの日私をここまで運び、彼を殺した鬼殺隊の方もその一人だと蝶屋敷に住む小さな少女達が教えてくれました。
その子供達も含め、隊士達や蝶屋敷のような鬼殺隊の施設に関わる人間のほとんどが、鬼によって家族や友人を殺されてしまったらしいのです。それはもちろん、花柱様も同様で、辛い思いをしたのは私だけではないと気付かされました。
にも関わらず、花柱様は決して笑顔を絶やしません。誰にも分け隔てなく優しくて、鬼殺に置いても華麗に鬼の首を斬る様は、まさに「花」のようでした。
しかし、そんな彼女でさえも鬼は、命を奪っていくのです。
花柱様は、「上弦の鬼」との戦いの末に御殉職されました。彼女の実妹が、その死を看取ったとのことです。
遺体をこの目で見た時、あの優しい笑顔は見る影もありませんでした。悲しみに暮れる実妹と蝶屋敷の少女達。その光景を目の当たりにした時、今まで曖昧だった愛しい彼を失った自覚が、悲しみが、憎悪が、一気に押し寄せてきました。
鬼殺隊が千年も戦い続けている本当の意味が、「花柱様」という偉大な剣士を失うことで初めて理解してしまったのです。何より、自分が鬼殺隊ではただただ無力でしかないということも。
私だって、前線で戦って彼の仇を撃ちたい。なのに私は体質のせいで刀を振れません。それが歯がゆくて仕方ありませんでした。
しかし、その後。花柱様の実妹が「蟲柱」の称号を与えられました。彼女は鬼の首を斬る程の力がないと聞いていましたが、毒を使う自分なりの戦い方で「柱」の座を手に入れたというのです。
花柱様が亡くなってから、蟲柱様は以前と違う空気を纏うようになりましたが、私は心から尊敬しました。
「出来ないなら、それ以外の方法を探せばいい」
彼女はそれを身を持って教えてくださいました。
なら私はこの無駄に多い知識をさらに増やし、駆使するしかないのです。蟲柱としての任務が忙しい彼女のためにも、私が蝶屋敷を支えなければなりません。
怪我した隊士のことは、私にお任せ下さい。
そう言えば彼女は、涙を浮かべて喜んでくれました。
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華夏(プロフ) - この作品好きです!これからも更新頑張ってください! (2021年11月3日 16時) (
レス) id: 4bbf064d28 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓﾍﾟﾍﾟ(プロフ) - 晴華さん» すみません、非表示でした汗 ご指摘ありがとうございます (2021年11月2日 12時) (レス) id: 9dfe7a6e7a (このIDを非表示/違反報告)
晴華 - 三十六話はどうしたんですか？ (2021年11月2日 9時) (レス) id: 9ac8204341 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 面白すぎて大好きです！これからも頑張ってください！ (2021年10月31日 22時) (レス) @page42 id: 2e88d3e072 (このIDを非表示/違反報告)
mmiho(プロフ) - 面白くて大好きな作品です！ (2021年10月31日 21時) (レス) @page42 id: 2243970d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓﾍﾟﾍﾟ
| 作成日時：2021年5月29日 8時
