行くな、行きたくない。2【登坂広臣】

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郁那side




知ってると思うけど、Aは家族や登坂くん達との思い出が残るあの家に１人で住んでた




だけど、ポストには色んなものが溢れていたの




そのほとんどが、彼らからのもので




プライベートのAの写真や、悪口が書かれた手紙





Aは、そういうことはいつも教えてくれないから




私がそのことを知ったのはAの部屋にその手紙が置いてあるのを見ちゃって




見たのはごく一部だったみたいだけど




内容は.....ひどいものだった






"臣に見捨てられればいい"



"あ、もう見捨てられてるか"






一枚一枚、必ず出てくるキーワードが"登坂広臣"だった






やがて、Aは家に塞ぎ込むようになっちゃって




何度か家に行ったんだけど、出てくれなかった




登坂くんと隆二くんのお母さん達とも居合わせたこともあったけど




やっぱり、Aは姿を現してはくれなかったみたい









私が、Aと最後に会ったのは



事故の前日だった



Aはかれこれ半年近く家の中にいたから



２人に会う前に外を歩く練習がしたいって









A......臣に会えるって、すごく嬉しそうだったよ



久々だった、Aの笑顔見たのは







それなのに.....Aはそのすぐ後に



もう会えない場所に行っちゃった







登坂くんのことだから、Aのあの姿を見て自分を追い詰めちゃったんじゃないの?







それは......違うからね







あの日、Aは



事故で死んだんじゃない








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西嶋くんに、殺されたんだよ

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