ミルクティー (ページ12)

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ep.10 月島蛍side ページ12

新しく出来たアイスクリーム屋は、建物も綺麗で内装も女の子が好きそうな感じ

店内に入ると、エプロンをつけたAがアイスクリームを箱に詰めていた

「あ、蛍!おつかれー
今あがるからちょっと座って待ってて!」

パタパタと店の裏に消えていくA
端っこの席に腰掛けて、首にかけていたヘッドホンを耳につける

いつもより少し音量を上げる

言うべき、なのかな。

僕はさっきAの彼氏を見た。
二人きりではないにしろ、女の子と腕を組んで歩く姿

ただの友だちなのかもしれない
彼に限らず、男女でもあんな風に仲良くしている人もいる

でも。

Aの彼氏、なんだよ

Aの彼氏が

あんな男でいいはずない

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「ごめんね待った?今日ちょっと忙しかったんだよね」

蛍「や、別に」

ハイッ!と目の前にカップに入ったアイスクリームが差し出される

「店長がね、くれたの!食べていいよーって!
店長優しいんだー」

いちご味のアイスクリーム

「蛍いちご味好きでしょ?違ったっけ?」

蛍「..うん、好き。アリガト」

わたしはチョコ味なんだーって

ニコニコ笑って隣を歩く彼女

あぁ、そうだよ

駄目なんだ。

蛍「さっき佐々木くん見た」

「え?佐々木くん?どこでー?」

蛍「商店街入ったとこ。友だちといたよ、五人くらい」

「..そう、なんだ!連絡はとってるよ」

蛍「女の子もいたけど。知ってたの?」

ピタリと足を止めたA
沈黙。

蛍「...余計なお世話かもだけど、もうちょっと考えたほうが良いんじゃないの?」

「..うん。ごめんね。そうだよね、」

Aはバカだし、頼りない女の子

でも、小さい頃から変わらないところ、もう一個あったね

「..、帰ろ!蛍!」

誰かの前で、泣かないところ