ミルクティー (ページ11)

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ep.9 月島蛍side ページ11

蛍「え、そーなの？」

目の前でお弁当のウインナーをモグついてるのは僕の幼なじみ。
その日学校に着いてすぐ、今日お昼ごはん一緒に食べようと誘われた

蛍「バイトって..まぁずっとしたいって言ってたしね」

「もともと高校生になったらアルバイトはしたかったし、わたしが暗い道一人で歩くの蛍がどうしても許せないって言うからさぁ

蛍が部活終わる時間にバイトあがれたら、一緒に帰れるじゃん?」

イタズラっぽくクスクス笑うA

蛍「許さないなんて言ってないんだけど..!?」

一緒にごはん食べようなんて誘ってきたくせに、授業中の睡眠が昼休み始まっても延長してて
こっちが呼びに行くまで教室で夢の中だった彼女。

僕たちは生まれた時からずっと一緒にいる。
親同士が仲良かったのもあるだろうけど、何をするにも一緒だった

Aは昔から変わってない、何も

ドジで頭の回転が遅いから、すぐ失敗して拗ねるか落ち込むところ。
でも立ち直りは案外早くて、ごはん食べてお風呂入ったらケロッとしてるところ。
意外と女の子っぽいところ。すぐ僕を頼ってくるところ。

彼氏ができたと聞いた時、正直驚いた

あまり大事にされてないって聞いた時、腹が立った

本人には言わないけど。

蛍「ていうかさ、別れないの？」

「え？なんで？」

蛍「なんで、って...いやいいや。聞いた僕がバカだね」

多分Aは初めての彼氏に浮かれてる。
恋は盲目って言うけどさ、それにしたって..

ていうかAは盲目になるほど好きなわけ...?
側からみたらだいぶ嫌な男だと思うんだけど

蛍「Aはもっとさ、」

「ん?」

蛍「..や。何でもない」

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3日後

Aは学校の近くの商店街にある小さなアイスクリーム屋でバイトを始めた。最近出来たらしい。

部活とミーティングが終わって学校を出る。学ラン暑いな..

これからAをバイト先まで迎えに行くことになってる。
シフトに自由がきくバイト先らしくて、平日は入れる日は基本毎日入る代わりに、短時間の出勤でいいらしい。

商店街の入り口に差し掛かったところで、前方に見たことある顔。

あぁ。思い出した。

佐々木くん。

彼はAがこの商店街でアルバイトしてること知ってんのかな

少なくともAに会いに来た感じじゃない

佐々木くんは五人くらいで、大きな声で話しながら歩いてた

女の子の肩に手を回して。