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牧「…宣杜って、そうやって笑うんだね」
『えぇ？はは、だって野上面白いんだもん』
野上「笑ってる場合か！」
神木「宣杜に釣られて俺も笑い止まらなくなってきた！」
花井「あはは、僕も！」
源田「ふっ」
野上「おまえら…ったく、仕方のない奴らだ」
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夕暮れ、大木に横並びで座って反省会。俺の右隣に野上がいる。
万が一に備えて持ってきたタオルは普通に役立ち、全員に支給された。
世の中計算だけじゃ上手くは運ばない。
計算はあくまでも仮定、結果までは予測できないものだ。
今までの偉い研究者も試行錯誤の繰り返し、この失敗はむしろ良いことだ。
一寸先は闇、怪我の功名、塞翁が馬、結果オーライ。
それはそれとして反省して謝る野上は可愛い。
花井「なんかいいね、失敗するってさ」
神木「だな。またいつか出来る時がくるかもって思えるしな」
そんな言葉に野上が笑ってこちらを向いた。
詳細に言えば逆側に顔を向けている野上を堂々と眺めていたから視線が交わっただけだが。
『野上も良い顔してる』
野上「うるさい」
花井「待って！今何時？」
源田「午後5時50分」
神木「やべえ！あと10分で点呼じゃん！」
野上「よし、戻ろう！」
野上の合図で全員が支度しようとするが、バラバラになったペットボトルが目に入る。
どうやら野上は帰りのプランは一切なかったようで、また焦っている。可愛いなあ。
『持ってきた時の袋、そこにまとめてあるからそれに入れて帰るぞ』
野上「あ、ああ…なるほど」
花井「のりりんあったまいい！！」
『普通に考えたら思いつくだろ…』
接着剤が多くついたペットボトルは海水にまみれベタベタしている。
持ってきてよかった火鋏を使って作業していると、横から牧主税が声をかけてくる。
牧「最初からこうなるってわかってたの？」
『は？』
牧「いや〜…やけに用意周到だなって」
『神様じゃあるまいし、俺が野上の失敗を想定するはずないだろ』
牧「…それもそうか。でも宣杜も凄いよ」
『なにが？』
牧「なんか、色々」
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