【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ41)

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野上「いい機会だ！ここで一度情報を共有しておこう。他に彼女がいる奴は！？」
牧「え？今それ必要？」
野上「彼女がいる奴は正直に挙手！！」

そして始まった彼女いるいないの話。めちゃめちゃどうでもいい。
この時間で一番手動かしてたの俺かもしれない、労わってくれよ野上。

そんな思いも虚しく犯人探しかのような雰囲気になるので、はーい、と手を挙げた。

野上「は？」
牧「え」
花井「うそ」
神木「マジ？」
『俺にとって野上は彼女だし』

んだよそういうことかよ～！と全員に言われる。失礼だな。
割と本気で言ったのに、冗談で流されるのはそれはそれで腹が立ってきた。

野上が彼女になってくれたらいいのにな～って顔をすると、ずれた眼鏡を直しながら野上に手で払われる。酷い。

神木「宣杜元カノとかいそうじゃん。実際どうだったの？」
花井「ちょっとかみかみ…」
『女はいない。童貞でもない』

童貞だと思われるのはなんか嫌なのでいらん情報まで言ったがまあいい。
ちょっと感心したように神木に見られるのでペットボトルを顔面に投げつけておいた。

　

この時、野上が複雑そうな顔をしていたことなんて気付くはずもなく。

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牧「だったら俺もそうするかな」
花井「彼女だけ乗せるってこと？」
牧「…たぶん」

彼女騒動のあと、またタイタニックの話題に戻っていた。

牧主税は自己肯定感が低いのか、自分より相手のほうが生きてる価値があるとかなんとか言っている。
そしたら神木が自己犠牲について語っているので、それを聞いた野上が一理あるとポイントを与えていた。羨ましい奴め。

俺だったら、片方が死ぬくらいなら心中するけど。
もちろん両者が生きれる道があったらそっちを選ぶが、俺は野上だけ死ぬのも、俺だけ死んで野上が生きるのも嫌だ。

死んだ人間のことなんていずれ忘れてしまうなんていうが、俺は一生引きずる自信がある。
野上のことを忘れられる気がしない。だったら共に息絶えたほうが幸せだ。

まあこんなこと、今の俺は野上に言う度胸はないけど。

　

タイタニックの名シーンを花井と神木がやっていて、それをみんなで注目する。
その振り向く前に、視界の端に見えた人影に思わず顔が向いてしまう。

パチリと目が合う感覚。
向こうはバッと顔を逸らして、横にいた人間の首も掴んでこっちから背を向けた。

　

ストーカー…お前、こんなところまで追いかけてきてるのか。