【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ39)

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作戦決行当日。
野上たちはゴミ袋に突っ込んだペットボトルを何回かに分けて運んでいた。サンタの要領。

なんでこれでバレないんだろうと思う。凄いな、運？
もしものとき用にタオルを数枚袋に入れて歩いていると、こそこそとしている人影。

『お前やっぱり牧主税のストーカー？』
「ひっっっ」

後ろから声をかけると大きく驚き、持っていたものを手から放したので落ちないようにキャッチしてやる。何…芋？

「な、なななななんでいんの」
『いや…通り道だし』
「そうじゃなくて！えぇ！？」
『これ食って落ち着け』

芋を返してやると思いっきり口に含んだ。豪快だ。
黒い影だと思ってたけど白い服着てるし、ストーカーと定義しておこう。

前も牧主税のこと追いかけてたし、今も見てたし…やっぱりストーカーなんじゃないか。野上のこと狙ってるのかと少しでも勘繰ってごめんな。

この前のなんか…洗濯場のあの赤いのもこいつのな気がしている。ストーカーは監視したいよな、仕方ないよ。

『ストーカーもいいけど、俺みたいにアタックしたほうが幸せになれるぞ』
「なんか勘違いしてない！？ストーカーじゃないし…！」
『え？牧主税のストーカーじゃないの？』
「違うっての！！！」

俺と一緒で友達がいなさそうなストーカーは、思ったより声量がある。元気。
物を口に含んだまま喋るのはやめようね、俺との約束。

にしてもストーカーじゃないならなんでこっちのこと監視してるんだろ。そういう趣味？でもそれならこっちに固執しなくてもいいもんな。何？

『やっぱり野上のこと狙って…』
「んなわけねーだろ！！！！」
『びっくりした…』
「あ、ごめん」
『いや野上のこと狙ってないなら全然』

まあ害なさそうだし、放置でいいや。

　

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波打ち際に立っている野上が思い切り水を飲み干している。
汗で襟足は濡れていて、そんなに暑いなら上着脱げばいいのにと思う。

口の端から垂れる水が首筋に伝っていくのがやらしくて、じっと見ているとペットボトルを口に咥えたまま野上がこちらに目を向けた。

なんだ、とでも言いたそうな顔をしているので素直に答える。

『咥えてるのも水滴が垂れてるのも艶かしいなって』

思い切り吹き出して咳き込む野上の背中を擦る。
こんなことで動揺して咽るなんてやっぱり童貞なんだな、野上って。