【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ36)

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野上「もう俺の中で男の二酸化炭素が飽和状態だ。早く女子の二酸化炭素で解毒しないと死んでしまう」
神木「宣杜が悪いんじゃねーの。ずっとくっついてるから」
『こっちだって死活問題だ。野上いないと死ぬぞ』
牧「相変わらず重いね…」

野上に置いて行かれたから渋々最後尾にいたらやけに神木がダル絡みしてくる。なんなんだお前のそのコミュニケーション幅。野上と一緒にいるから共にいるだけで、個人的に仲良くするつもりはないぞ。

そんな奴の相手をしてたら先頭の野上が立ち止まる。
急に後ろ向きで階段を下りてくるから急いで飛び降りて、前にいる奴らが雪崩れ込んでくるのでいや仕方なしに倒れないように支えてやる。

　

嗅覚を働かせながら野上が考え込むので、何やら嫌な予感。
この感じ、と呟いて向こうに走る野上を追いつけるほどの余裕がなかった。

野上「気のせいか…？いや、そんなはずは」
花井「どうしたの、のがみん」

遠くで、野上が扉を開け部屋に入るのが見える。
あそこは保健室だろう、ますます嫌な気持ちになる。

何が、とはわからない。感覚。
野上に異性二酸化炭素センサーがあるように俺にも野上に対する良い悪いの匂いがわかるのだ。

野上のとっては吉兆、俺にとっては凶兆。
近付いていたはずの野上が、また遠く感じ出す。

　

おそらく俺があの場にいても良いことはないし、野上が感じる二酸化炭素は俺からすると毒なのだと、より生きる場所の違いも感じてしまう。

ここに来て初めて弱気になった俺は、野上たちの帰りを待たずにその場を立ち去った。