【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ4)

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『また雑音が耳を掠めた』
野上「あぁ…どうせ鬼河原が"指導"でもしてるんだろ」

くっついて歩いてたのに、食堂が見えると突き放されてしまった。
残念だけど、仕方がない。

そのまま後ろをついていくと野上が急に立ち止まるからぶつかりそうになる。
ごめんね、というと気にするなと返ってくる。

こういうところ、野上が心優しい要素のひとつ。

「アオハルを捨てろ！」
「「「アオハルを捨てろ！！」」」

本当にうるさい。
そうやって普通の価値観を声に出せるだけでお前らは幸せなのに。

壁に寄りかかる野上の肩に腕を乗せて寄りかかる。
嫌そうな顔をするが放っとかれた。
これは公共の場でもやっていい、セーフの合図だ。

　

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朝が強いか弱いかと聞かれれば…弱い。
生まれつき血圧が低いから脳への血液量も少なくなっている。だから脳の目覚めが悪くて、寝起きは悪いし頭が活性化しない。何事にもエンジンが動くのに時間を要す、面倒な身体。

だけどこの学校は点呼を取る習慣がある。
寮生が一斉に顔を出し廊下に並ぶ。そう、野上の顔が拝める。声も聞ける。

その瞬間、今までが嘘かのように全てがリセットされ脳が活性化する。
俺にとっての目覚ましは野上なのかもしれないと毎日考えてしまう。

同室だったらもっと早起きできてるだろうに。
野上の横に立つ男が妬ましい。

その男が俺の視線に気付いたのか、苦笑いを返される。要らない。

　

食堂の料理は料理と表すほうが失礼なくらい粗末。
まともな味のするものだけ摘むしかない。

向かいにいる野上を見ながら食べるとちょっと美味しく感じる。

ここで楽しそうに食事をするのはお前くらいだと野上に嫌味を言われることもあるが、その程度じゃ気にならない。全部照れ隠しと解釈できるから。

ちらりと俺を見てまた視線を落とす野上。
ああ、目が合っただけでまたご飯が美味しいよ。ありがとう。

　

このあと気持ち悪いって言われるまでがワンセット。
どうせこれも照れ隠し。今日も野上は可愛い。