【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ26)

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流石に罪の意識があったのか野上が俺の顔を見ずにタオルを顔に押し付けてきた。
俺が咄嗟に目を閉じなければ直接眼球を潰されていた気がする。

　

少し苛めたくなって野上の腕を掴み、無防備な手首に噛みつくようにキスをしてみる。
振り解けるように強くは握らなかったからすぐさま距離を置かれた。

涙ぐんで自分を守るように縮こまる野上は酷く壊れそうで愛らしい。
こんな汚れた感情を持っててごめんね、野上。

いつもみたいに恥じらっている顔なのに、どこか怒っている気がして。
知らない野上の感情を当てられ、俺は少し恐怖を感じた。

「宣杜はそうやって女の相手をしてたのか」
『え？』
「お前は俺を女の代わりだと思ってるのか？」
『なんでそんなことしなきゃならないの』
「お前のことが何もわからない…」

壁に寄っかかって体育座りで蹲る野上は肩を揺らして…泣い、てる…？
なんで。俺が泣かせた？どうして？

『野上なんで泣いてるの』

返事なんて返ってこなくて。
泣いてる野上を放っとけるわけもなく近付くと、来るなと言われる。
それを無視して近付いて、逃げられないように足で挟み込んで野上の肩を掴んだ。

『俺、野上のこと女の代わりとか思ったことない』
『女とかどうでもいいし、野上しか見てないよ』
『野上だから好きなんだ。ずっと言ってるでしょ、俺は野上が好き』
『野上が好きだから俺は優しくするし、放っとかないし、泣かせたくない』

精神が不安定な野上を見たことがなくて、泣いてる理由もわからず。
だけど言い聞かすように俺の話をする。俺は本当に野上のことが好きなのに。伝わってないのが悔しくて、女の代わりだと思われたのが腹立って。

「自分でもなんでこんなに嫌なのかわからないんだ…宣杜、俺はどうしたらいい」

顔を上げ弱々しい表情で俺を見る野上は女なんかよりよっぽど可愛い。
安心させるように顔に触れ、涙を拭う。野上が触れる手を重ねてきても受け入れるが、内心今まで見たことのない野上にドキドキしっぱなしだ。