【メンズ校】Amour à l’infini【男主】 (ページ24)

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話は終わったはずなのにずっと俺の手首を掴んで歩いている野上。
俺と手でも繋ぎたいのかな？
そう思って掴まれてる手に手を這わせるとビクりとしてから手を離された。

「っなんだ急に」
『手繋ぎたいのかと思って』
「はぁ！？なんでそうなる！」

いつものプリプリ怒る野上だ。

俺には肩を上げて怒る野上が慌てたり焦ったり、照れてやってるようにしか見えない。
俺の野上可愛いフィルターが勝手にそう思い込んでるだけかもしれないけど、野上本気で怒ったらこんな可愛い目しないだろうし、勘違いじゃなさそう。

『ねえ…寮に着くまででいいからさ。手繋ごうよ』
「………」

おねだりをする顔、というやつで軽く首を傾げて手を差し出す。
これで大抵の人間は落ちるけど、野上はどうだろう。

…前の野上なら即決即断。嫌がって断るのに、ここで口を閉ざす時点で俺の勝ちかもしれないな。
この前初めて手繋いだもんね、その感触が忘れられないとかなら嬉しい。

「そこまでだからな」
『野上の俺に甘いところ大好きだよ』
「うるさい。調子に乗るな」

あくまでもさせてやってる、の態度で野上が手を出す。可愛い。
俺の手に簡単に包まれる野上の手をずっと守ってあげたいな。

将来のことなんて考えたことなかった俺がこんな未来を望むなんて野上にだけだよ。
尊さのある命の関係に深みが増す。

その手を離したくなくて指で絡め取ると野上は俺を呆れるような不審な目で見てくる。
離れないように俺が強くに握ってるから解くのを諦めてるのか、その手が振り解かれることはなかった。