なにわの白②【男主】 (ページ9)

今日:2 hit、昨日:20 hit、合計:110,514 hit

・ページ9

「A、マジで自分勝利の女神なんちゃう？」
『ちょっと自分でも怖なりました』

なんなら横にいる先輩は涙ぐんでいる。おめでとうございます…。
まさかサヨナラ逆転を見届けることになるとは、普通に熱い試合だった。

「じゃあこれからも暇な時は付き合ってくれるよな？」
『なんで？』
「発言には責任持てよ」
『あー……』

やってしまった。本当に勝つとは思わなかったのだ。
負けると思っていたことを素直に謝ろう、ごめんなさい。

キラキラとした表情で電光掲示板を見つめる先輩は子供のようで。
まあ、別に悪くないな…なんて思ったり思わなかったり。

『勝敗関係なしに、オリックスが優勝するまでは付き合いますよ』
「ホンマか！？ありがとう！可愛い後輩やな～！Aは！！」

調子の良い先輩は俺の頭を撫でまわしては強い力で肩を叩く。
完全に近所のおばちゃんのようだが、触れないでおこう。

　

今後この人によって知らないうちにオリックスファンの間で俺の存在が知れ渡ることも、勝手に拝められることも、この時の俺には知る由もなかった。

　

---
優勝おめでとう丈くん！
書きたかった話の上位に入るこの回

文字数の関係でちょいちょい短くなってますがご了承ください