なにわの白③【男主】 (ページ46)

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◆大西と大西ページ46

※2015年あたり

　

次の現場に予定より早めにつくと既に何人かいて。
関西Jr.にも小さい子が増えたからみんなが集まる場はいつも託児所みたいだなと思う。

入り口で突っ立っていた俺に最初に気付いた康二に声をかけられる。

向井「A！はやいやん！」
『色々あってな』
向井「ほらみっちーも挨拶し」
道枝「Aくんおはようございます」
『おはようさん』

道枝を膝に乗せて抱えている康二は兄弟みたいで可愛い。
康二にぴったりくっつきながら俺を見上げる道枝が可愛いので頭を撫でると目を細めて笑った。

『赤子みたいで可愛いな』
向井「みっちーは俺のやから！Aでもだめ！」
『親馬鹿な康二も可愛いよ』
向井「みっちーがおらんかったら抱き着いてたけどみっちーおるからあかん…」

道枝を抱えたまま葛藤する康二を道枝は不思議そうに見ている。

昔は大橋を可愛がってたのに、最近は道枝がお気に入りのようで。
俺としては康二の拠所が増えて嬉しいし、安心する。

　

ようやく腰を落ち着かせるとマネージャーに声をかけられる。
新しい仕事の台本を渡し忘れてたみたいで、すぐにその場を去っていった。

パラパラと台本を捲りながら楽屋を見渡すとどこかをじっと見て突っ立っている子がいて。
俺の視線に気付いたみたいでこちらを向いた。

『そんなとこ立ってないでここ座り』

自分の座ってる隣を叩くと、ふるふる首を振られる。
何かがお気に召さなかったようで、断られてしまった。

先程まで見てたであろう方向を見ると康二と道枝がいて、なんとなく断られた理由が分かった気がした。

『大西、ここおいで』

今度は隣ではなく膝を叩くと、ゆっくりこちらに来て手を広げるので、そのまま抱えて膝に乗せてあげる。
大西は満足そうに笑っている。子供って可愛いな。

風雅「Aくんのここに座ってええのぼくだけな」
『そうなん？他の子が座ってたらどうなんの？』
風雅「お小遣いが減る」
『わお現実的…』

思い返すと俺がいる時はよくこっちに来て膝を陣地にしてた気がする。
全然意識してなかったけど、ただそこにいる大人に甘えてきてただけじゃないのか。

大西はかなり俺に懐いてくれてるみたいだ。