【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ41)

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「そういえばさ、宣杜は一緒に風呂入らないの」
『へ？』
「前は事情があっただろうけど、今はそれも解消されたんでしょ？」
『あー…それは』

いつだったか。俺も裸の付き合いしようかな、と言ったときの野上の顔はそう。
この世の終わりのような顔をしていて、その後俺の両肩を掴んで心配をしてきた。

ここまできたらみんなと浴室の作戦会議に付き合ってもいいと思ったのに、俺の歩み寄りを見事に押し退けてやめさせたのだ。
俺のことを独占したい野上の可愛い我儘を受け入れたけど、今後たまたま誰かと被ったらどうするんだろう。

「不要だ」

どう牧主税に説明しようか考えてたらあたかも通りすがりました、の顔で野上が俺の後ろに立って肩を掴んできた。
俺は少し前から立ち聞きしてるの気付いてたけどね、こういうところも可愛い。

「こいつに裸の付き合いは必要ない」
『らしいです』

　

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『野上はますますモンペみたいになるね』
「……」
『野上？』
「名前」
『ああ、ごめん。慣れてなくて』
「俺だって慣れない」
『ふふ、初々しいね俺たちは』

慣れてないというよりは癖に近いけど。
そういえば野上に余裕そうで腹立つと言われるから余計なことは言わない。

距離の詰め方を前後しまくった俺と野上は、こうやって普通の恋人らしさを経験していくスタート地点を歩き始めたばかり。
普通のことが出来ないでそうでないことはしてきたから、デキ婚と言われても全否定は出来ない。