【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ40)

今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:49,910 hit

9-4 ページ40

体力アップのためにジョギングを始めた先輩は、成績が落ちているらしい。
まあ、それよりも少し前から教師に怒られてたし、なんともね。

何故似たようなことをまた考えているのかというと、花井たちがその話題をしながら先輩を追いかけに行ったからだ。

　

『へえ、三つ巴じゃん』
「やめてよ」
『外野なもので』

というのを牧主税に聞いている、が正しい。

珍しく俺と二人になったかと思いきや今朝の話をつらつらと。
その場に俺を連行しなかったのはあいつらの気遣いだろうけど、野上まで行ったのはなんかやだな。

『牧主税くんが逢瀬とはね』
「だから違うってば」

うるさい先輩が好きな女子と、牧主税が前から付き合いのあった女子が同一らしい。
このままじゃ成績不振で留年も考えられることもあり、桃井が恩返しのために何かしてあげたいと動いているのだとか。

『気が進まないのは本心だろうに』
「……それは否定できないけど」
『ほんと、相変わらずの性格』

桃井ならそうすると思ったけど、デート作戦とはね。
その女子を誘い出すのに人が良さそうな牧主税に協力を頼んで、断っても小動物のようなキラキラした瞳で見つめられたから折れたとか云々。

　

「宣杜はいいの、野上が今でも女性に興味があって」
『ああ、可愛いよね。あの子』

俺がいないと呼吸もままならない、なんて言っていたのは本当らしく。
めっきり"女子の二酸化炭素"の解毒効果がなくなったことに少なからずショックはあるみたい。

男としての尊厳なのか、まだ認めたくないのか。
そんなに最高の花でも効果がないのを実感したらそろそろ俺のもとへ帰っては来るだろう。

「え？宣杜知ってるの？」
『は？何が？』
「藤木先輩、が…好きな…‥女の、子？」
『知らんし興味ない』

野上以外に可愛いと言うわけないだろうに。
牧主税は普通の感性だから意中の女子だと思ったらしい。アホ。
周りが見えているのかいないのか、この男はたまに抜けたことを言う。