【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:49,911 hit

9-1 ページ26

付き合ってからのほうが野上としょうもない言い合いをしている気がする。
これを言うのは何回目だろうか。

俺の心があまりにも狭すぎるから、野上を困らせているだけなんだろうけど。

なんで野上があんなの持ってたか知らないけど、普通に嫌になって出てきてしまった。
なんて謝ろう、人の心を否定するのはよくないのに。

『普通は女のほうが好きだよなあ』

野上が正しい、俺が間違っている。

すると寮の入口で天を仰いでるうるさい先輩が視界に入る。
最近あの人は恋をしたようで、毎日現を抜かしている。この前も教師にどやされていた。

神木の姉が来たときも浮かれていたらしいし、この人青春を捨てた割に煩悩が凄いよな。

「おっ宣杜やないかー！」
『どうも』

立ち止まってたら目が合って声をかけられる。
浮かれてるこの人はダル絡みが減って大人しいから楽かもしれない。

「なんやお前暗い顔して～！」
『あんたは楽しそうですね』
「へ？そうか？えへへ～そうかなあ？」

恋をするのは悪いことではない。
俺もそうだったし、想い人のことを考えてるときが幸せなのもわかる。

傍から見たら俺もこうだったのかと考えるとなんか嫌だけど。

「あ、もしかして野上と喧嘩でもした？」
『あ？』
「怖い怖い。図星やんか」
『失敬。先輩に察されるのなんか嫌です』
「お前なあ」

ほわわんとしてたのに、急に俺の悩みを察するこの人はなんなんだろう。
ま、こっち来いやと引っ張られたので大人しくついていった。

　

　

---
すみません忙しくて更新遅れました；；