【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ20)

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「い～や～参ったわあ。俺がカメラマン頼まれちゃってさあ」

はあ、そうですか。
そう興味なさそうにしてもこの人は引くことはないのだろう。
良いように解釈して雑用を請け負ってるんだ、俺にはどうしようも出来ない。

顔貸せ、と呼ばれてみれば学校案内のパンフレット素材を集めてるとのことで。
まさかとは言わないがその二人構図、野上にやらせようとしてないか？無理だろ。

藤木「で、お前らに頼みたいのは…ここ！」

友情がテーマのページ。野上に全く似合わない、笑わせないでほしい。
思ったより牧主税のほうは乗り気で、指示に従おうとしている。偉いな。

『いいの？』
野上「俺がやると思うか？」
『思わない』

腕を組んでその場から微動だにしない野上の顔を覗き込むと、ずず…と手で顔を遮られる。
え、なに。どうしたの。え？まさか

『キスされると思った？』
野上「お前は人前でもしかねない」
『してほしいならするけど』

ここ数日で気付いたことだが、野上は思ってた以上に思春期だ。
そりゃあずっと煩悩働かせていたんだから拗らせてるとは思っていたが、ここまでお盛んだとは思っていなかった。

俺も俺で癖になったスキンシップが抜けるはずもなく、こうやって野上に塞がれることが多い。
別にキスするつもりなかったけど、そういう可愛い反応されたらしたくなっちゃうよな。

補足すると野上はかなり先走るほうだ、すぐ元気になる。そういう意味で。
まだそこにまで至ってないのに、今から宵のソレが心配ではある。

藤木「コラァ！そこ！」
『なんですか』
藤木「なんですか？じゃないわアホ！イチャイチャせんとこっち来い！」
牧「今のって宣杜の真似…？」
藤木「おう」
野上「全然似てないな」
牧「うん」

上手いこと話を逸らされたうるさい先輩は元気に反論しているが、ワンテンポ遅れて当初の目的を思い出したようで、また俺たちを呼んだ。
といっても野上がご指名みたい。主席サマだからかな。

野上「なんで俺が」
藤木「学校からのご指名やねん。このページのモデルは主席の野上でって、な？」
野上「こいつは？」
藤木「宣杜はアカンのやって」
『まあそうだろうな』

公になってない跡取り息子がこんな学校のパンフレットに載ってみろ、即廃版即差し替え。無駄に金がかかるだけだ。
少し恨めしそうに野上がこっちを見てくるが、俺には可愛い顔にしか見えないから効くはずもなく。