【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ16)

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素直に一線超えたのかと聞いてしまい少し反省する源田だが、似たようなことはあったと推察。
そういえば前に花井が野上に春が来たと言っていたが、それはこのことだったのだとようやく合点がいった。

養護教諭のことだと思っていたのが己の偏見に過ぎなかったのだと、幸せそうなふたりを見てまた反省。
愛に種類なんてない、後悔のない恋愛をしてるなら自分から言えることはないと微笑んだ。

源田「で、どうなんだ？」
『残念だけど超えてはないんだ』
野上「おい」
源田「純愛だな」
『そう。普通の恋愛』
源田「幸せになれよ」

まるで良い映画のワンカットのようだが、ここはあくまでも食堂である。
あまりにも普通に行われるそれにあとから来た牧は自分の目を擦ってはそれを二度見した。

花井「まっきー何突っ立ってるの？のりりんに見惚れてた？」
野上「は？牧表出ろ」
牧「違うよ！」
『え？牧主税って俺のこと好きなの？ごめん俺にはもう運命の糸が』

花井の一言で一気に牧に視線が集まった。
源田は意外そうに、宣杜は困ったように、野上はもちろん睨んでいる。

その間にも花井は呑気に宣杜の隣の椅子を引いて座る。

牧「そんな花井だって前、宣杜のことかっこいいって言ってたし！」
花井「うん。僕のりりんの顔好きだよ」
『照れる』
野上「照れんな」

言い返す言葉の持ち球がない牧はこれでどうだ、というように言うが花井は特に慌てもせずに流した。

これが余裕のある人間の態度なのだと牧は一瞬尊敬しかけたが、元はといえば花井の所為で変な感じになったので首を振って思考を振り払う。

花井と宣杜は馬が合うようで自分たちの間でも一番仲良さそうにしている。
牧は野上より花井のほうが宣杜と仲が良いと思っている。そこに野上への申し訳なさはない。

もしかして言い返してしまった自分がおかしいのではと考えるが、その思考を掻き消すように神木もそこにやってきた。

神木「牧何突っ立ってんの？うんこ？」
野上「トイレはここじゃないぞ牧」
源田「あっちだ」
『早く行ったほうがいい』
花井「ごめんねまっきー気付かなくて」

あれ、俺いつの間にこんな弄られキャラみたいになったんだろう。
牧は言い返すのもそこそこに、溜息を吐いて席についた。