【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ46)

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『はあ…』
「俺は色んな奴を救わなあかんからな、寂しくさせる思うけど」
『ストップ』
「なんや？」
『え？何の話ですか？』

人生を語ってたのに、急に俺のほうへ舵を切るからびっくりした。
本当にこの人、変わらないな。ずっとこれだ。

『俺はもう幸せですよ』
「うーん…なんだかなあ」
『…野上とは上手くいかないって思ってます？』
「ちゃうちゃう！そうやない！」

「宣杜…将来、どうなりたんや？」

　

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『答えられない、は成長なのにな』

今までだったら決められたレールの上、模範解答を口にするだけでよかった。
それが一番楽だったのに。

答えられなかった、将来自分がどうなっているかを。
迷いが生じたんだ、ここに来てから。野上に出会ったから。

『最後の思い出作りでここに来たのに、結果それが余計未来への反撥になるなんて』

嫌だ嫌だと思いつつ、別に将来何がしたいというのもなくて。
希望を知らずに生きてたから、元々考えたこともなかったのだ。

それが正しいと思って誠実にお堅く生きていたほうが楽だったかも。
決められた相手と結婚して、そのまま跡継いで。

『俺が普通だったら、そんな感じだったのかな』
「なにがだ」
『…どうしてここに？』
「Aが探してほしそうだったから」
『……そう見える？』
「ああ。このまま波に攫われて消えそうだ」

地平線は、何も考えたくない時にうってつけだ。
この島で野上の次に息のしやすい場所は、ここしかない。

野上が流木に腰掛けたとき、自重で少し揺れる。
その感覚もなんだか心地よくて、やはりこの人といるだけで世界が変わって見えるんだなと思った。

『英敏くんは最近俺に過保護だね』
「嫌というほど俺にくっついてくる奴が帰ってこなかったら心配にもなる」
『そこは素直に俺に会いたかったって言ってくれればいいのに』
「お前のその感性はいつまでも理解できん」
『理解されて飽きられるのも嫌だね』
「俺は理解したいけどな。Aのこと」
『…プロポーズ？』
「結婚するか？」
『したいな』