【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ37)

今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:49,945 hit

閑話休題ページ37

※改革後の時間軸

　

　

『うわ、焦げ臭』

食堂に降りてみれば焦げたにおいが漂っていた。
においの中心には牧や花井などいつも通りの顔ぶれだが、食堂にはその他の生徒が全員頭を抱えていた。

何事だろう。

花井「のりりんいいところに！」
『何してるの？』
牧「助けて宣杜」
『だから何してるんだ』

・
・
・

『つまり牧主税のご実家から大量のチョコが送られてきて、それを見事に燃やしたと』
牧「言い方に棘があるけどそういうことです…」

目の前には箱に大量に詰められた板チョコと、ぐちゃぐちゃの包装に、皿に入った焦げたチョコレート。
寮生に配っても消化しきれない量に教師も目を瞑ってるらしく、真面目な規律があるとは思えないほどの緩さだ。こんな甘い匂いが充満する日が来るなんてな。

　

しかしそんな生活がすでに限界なのか、一気に溶かして処理する古典的な方法をしようとしたらしい。質量は変わらないのに馬鹿なんだろうか。

頼みの源田は熱でぶっ倒れているから、自分たちの力でなんとかしようとしたのだろう。
そのまま食べればいいものを、その選択肢はないのかな。

桃井「そのまま食べてたら飽きてきたんだよね」
『視覚的に同じものをずっと食べるのは、別の物を同じ重さ食べるより厳しいらしいぞ』
牧「そうなんだ」
『人体のメカニズムは面白いからな』
花井「そんなことより！のりりん意外と生活能力高いしなんとか出来ない！？」
『溶かして固めるだけだろ…』

面倒くさそうにしながらも置いてあったエプロンを身に着けてしまうのは、こいつらへの甘やかしなのかな。
野上以外にも情が湧くのはいい方向だと言い聞かせる。

『で、お前らは何しようとしたの』
牧「溶かすことしか考えてなかった」
花井「やっぱりフォンデュって憧れあるじゃない」
『ガキ…』

食べられればなんでもいいと言われたのでざっくり作ることにする。
あれ？こいつらにだけ作ろうとしたけどもしかして寮全体に配布しないといけないのか？

途端に面倒くさくなってきた、逃げたら殺されるかな。

　

・

・

・

　

『ということで、俺は帰ります』
花井「ありがとうのりりん」
『残りはなんか、源田が復帰してからで頼む』
牧「本当にありがとう」